GL検索 v0.1.0
画像は 79 ページを描画したものです
page 79

p.79 抽出テキスト

るため,病状やNPPV の説明,リラクセーション,ポジショニングなどを十分行いながら治療にあたる必要がある.重症例に対しては,NPPV の効果を最大限に引き出すよう呼吸法指導,呼吸介助,気道分泌物の除去といった理学療法的アプローチが重要である.吸入療法やステロイド治療などにより呼吸状態の改善が得られれば,経口摂取を開始するが,NPPV を外して呼吸困難が悪化するようであれば速やかにNPPV を再装着すればよい.食事や休憩など一時的にNPPV を外したときのバイタルサインやSpO2,血液ガスなどのチェックは,NPPV 離脱の時期の判断に有用である.喘鳴などの自・他覚症状や呼吸困難感が改善し,呼吸性アシドーシスが消失していればNPPV をオフとし,酸素吸入のみで経過を観察し,数時間後に再度バイタルサインや血液ガスをチェックしてそのまま離脱可能か,再度NPPV を装着するか判定する.

6 おわりに

喘息発作に対するNPPV の有用性に関して,明らかなエビデンスはいまだに示されていないが,有効性を示唆する報告が集積されつつある.適応を吟味してNPPV に十分習熟した施設で行えば,呼吸機能の改善を早め,呼吸困難や高二酸化炭素血症を改善し,気管挿管を回避したり,吸入療法を効率よく行えるなどが期待できる3).一方で喘息発作は急激に増悪することがあり,挿管のタイミングが遅れると生命の危険を伴うことから,増悪の兆しがあれば躊躇せず気管挿管下での呼吸管理に移行する必要がある.補足 NPPV 下の吸入療法

喘息発作時には,β 2 刺激薬のネブライザー吸入が必須であるが,重症発作時には呼気障害のみならず,気道抵抗の増大による呼吸筋疲労や分泌物の貯留により,β 2 刺激薬の吸入療法が十分行えないことがたびたび認められる.この場合,NPPV により気道内に陽圧をかけて気道抵抗を減少させつつ吸入療法を行う有効性が報告されている16).鼻マスクを用いながら口に吸入器をくわえて行うことも可能だが,NPPV の回路内に吸入器を組み込んで行うと容易に吸入を行うことができる.

回路内に吸入器の代わりにMDI 用のスペーサーを入れて日常使用しているMDI を吸入させることも可能であ

る.吸気が不十分な場合はCPAP よりpressure supportを併用したほうが吸入量も増加し,効率をあげることができるが,同時に胸郭の外側から用手的にスクウィージングを加えるといっそう効果があがる.上手に用手換気補助を行うことができると,呼吸困難感も緩和される.

文献1)Meduri GU, Cook TR, Turner RE, et al: Noninvasive positive pressure ventilation in status asthmatics. Chest 1996; 110: 767-774. 2)Fernandez MM, Villagra A, Blanch L, et al: Non-invasive mechanical ventilation in status asthmatics. Intensive Care Med 2001; 27: 486-492. 3)Holley MT, Morrissey TK, Seaberg DC, et al: Ethical dilemmas in a randomized trial of asthma treatment: Can Bayesian statistical analysis explain the results? Acad Emerg Med 2001; 8: 1128-1135. 4)NHLBI/WHO global initiative for chronic obstructive lung disease (GOLD) workshop summary: global strategy for diagnosis, management, and prevention of chronic obstructive pulmonary disease. Am J Respir Crit Care Med 2001; 163: 1256-1276. 5)Plant PK, Elliott MW: Chronic obstructive pulmonary disease 9. Management of ventilatory failure in COPD. Thorax 2003; 58: 537-542. 6)長谷川隆一,勝田知也,近藤康博:気管支喘息最新の進歩—NPPV—.救急医学2005; 29: 179-184. 7)American Thoracic Society: International Consensus Conferences in Intensive Care Medicine: noninvasive positive pressure ventilation in acute respiratory failure. Am J Respir Crit Care Med 2001; 163: 283-291. 8)Mehta S, Hill NS: State of the art: noninvasive ventilation. Am J Respir Crit Care Med 2001; 163: 540-577. 9)British Thoracic Society Standards of Care Committee: Non-invasive ventilation in acute respiratory failure. Thorax 2002; 57: 192-211. 10)Keenan SP, Sinuff T, Burns KE, et al: Clinical practice guidelines for the use of noninvasive positive-pressure ventilation and noninvasive continuous positive airway pressure in the acute care setting. CMAJ 2011; 183: E195- E214.

表2 気管支喘息発作時のNPPV の適応基準以下のいずれかを満たす場合とする(ただし自覚症状が強い場合には早めに導入してよい).

2 刺激薬の吸入で改善の乏しい呼吸困難

PaCO2 上昇(PaCO2 >45mmHg)表3 喘息発作における気管挿管による人工呼吸管理基準

PaCO2 上昇(PaCO2 >60mmHg あるいは1 時間に5mmHg 以上上昇)

PaO2 <50mmHg