p.66 抽出テキスト
CQ.在宅NPPV においてモニタリングは必要か? 1在宅NPPV の施行中は,バイタルサインや症状,機 器の作動状況のモニタリングを行う . 2モニターした値が管理目標域や安全域を超えた場合, 速やかに対応できる体制を準備する . 在宅NPPV 症例のモニタリングなどについてはこれまで一定の指針は示されていないがa),必要十分なモニタリングが必要であることは明らかである.人工呼吸への依存度がそれほど高くない場合は,訪問看護などによる定期的なバイタルサインや症状のチェック,および機器の点検・作動状況の確認が中心となる.しかし,NPPVを長時間装着するような依存度の高い症例では,ケアレベルも高くなり,毎日の観察や点検が必須である.SpO2の低下や喀痰の性状や量の変化といった患者要因,マスクや回路の破損・フィルターの目詰りといった機械的要因などを早期に発見し対応することで,予後の悪化を防止できると思われる.モニタリングの内容は,家族や在宅ケア担当者,NPPV 業者を通じて速やかに医療機関に伝達され,往診や訪問看護などにつなげる. 近年NPPV 機器は,内部に使用状況や作動状況を記録・解析できるデータ管理システムを有するものが登場し,その記録媒体を医療機関がチェックすることで機器と患者の呼吸の同調性やリーク量,換気量などのNPPV装着時の状況や危機の作動状況,バイタルサインなどについて経時的に確認でき,至適設定の判断材料として重用されている. CQ.在宅NPPV 施行中の緊急時の支援をどのように行 うか? 1機器のトラブルや突発的な容態変化など,緊急時の 対応について具体的な方法を事前に決めておく. 2在宅NPPV 症例に対して,地域の医療機関が連携し て対応できるクリニカルパスや緊急時マニュアルを有することが望ましい. 在宅NPPV において発生するトラブルの多くは機器に関連したもので,それほど重篤なものではないことが示されている29).しかし,実際は患者・家族の不安は大きく,医療機関やケア担当者による支援も十分といえない.したがって,患者・家族への教育を行う際には,主たるトラブルの内容および対応方法を必ず含め,実際に練習を行ってもらう.一方,容態変化時の緊急度はNPPV への依存度や疾患の重症度など症例ごとに異なるため,医療機関が24 時間体制の窓口を備えるとともに,開業医や救急要請といったアクセスしやすい医療の窓口を設定しておくことも必要である. 支援を担う診療所や訪問看護ステーション,居宅介護支援事業所などとの連携を容易にするためには,いつ・誰が・何を・どのように対応するかを共有することが有用である.したがって,日常の医療やケア,機器のメンテナンス,モニタリングの目標値,緊急時の対応,それらに対する医療側の役割分担などを記した共通のマニュアルあるいは地域連携パスを導入することで,統一した医療サービスを提供することができ,ケアの質の向上やトラブル時の迅速性に一定の効果が期待できると思われる.推奨度B レベルVI 推奨度C1 レベルVI レベルVI 推奨度C1 レベルVI 推奨度C1表1 障害程度等級表 級別呼吸器機能障害1 級呼吸器の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの3 級呼吸器の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの4 級呼吸器の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの<身体障害認定基準>機能障害の程度の判定は,予測肺活量1 秒率(以下「指数」),動脈血ガスおよび医師の臨床所見による. 11 級に該当:呼吸困難が強いため歩行がほとんどできないもの,呼吸障害のため指数の測定ができないもの,指数が20 以下のものまたはPaO2 が50Torr 以下のもの23 級に該当:指数が20 を超え30 以下のもの若しくはPaO2 が50Torr を超え60Torr以下のものまたはこれに準ずるもの34 級に該当:指数が30 を超え40 以下のもの若しくはPaO2 が60Torr を超え70Torr 以下のものまたはこれに準ずるもの