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皮膚保護のために顔面の皮膚にドレッシング剤を貼付し,その上からマスクを装着することで皮膚障害を予防するケアが一般的に行われている26, 27).一方,NPPV のマスクに特化したドレッシング材は存在せず,一般の褥瘡ケアのものが用いられている(ハイドロコロイドやウレタンフォーム,シリコンフォーム材など).しかし,マスクを長時間使用する症例では,これらのドレッシング剤だけでは十分とはいえず,やはりマスクフィッティングと併せて検討する必要がある. 5 在宅へ向けての患者・家族教育 CQ.NPPV を在宅導入する際の患者・家族教育は必要 か? 1在宅NPPV への移行時は,退院前に患者および家族 にNPPV に関する教育を行い,到達度を評価する. 2在宅NPPV 中の緊急時の対応(連絡先や具体的な対 処法)について,退院前に患者・家族とすべての支援スタッフが打ち合わせを行う . 在宅NPPV 症例では,患者のみならず家族の理解や協力が必須であり,在宅医療に移行する前に医療スタッフと意思統一を図る.NPPV に関する教育は治療内容や期待される効果,日常のケア・メンテナンス(マスクの組み立て,機器の操作,加温加湿器の水補充,マスク・回路の洗浄など)といった多岐にわたり,主として看護師の職務である.具体的には患者と家族に実物を用いて実習を行ってもらい,習得度を評価する.退院までには,トラブル時の対処法や緊急時の連絡方法についても申し合わせを行い,それらを明記したカードなどを患者・家族に提供すると同時にNPPV 機器に備え付けることが勧められる.また,緊急時はNPPV 業者の支援を受けることも多く,担当者を交えての打ち合わせも必須である.教育効果の評価の結果,患者本人や家族による管理が困難と判断される,または独居で家族の支援を受けられないなどの場合は転院や施設入所も考慮せざるを得ないこともある. 6 在宅NPPV における支援体制 CQ.NPPV に関する地域医療連携とは? 1在宅NPPV 症例をサポートするために,地域の医療 機関が連携し,安定時から増悪時までの対応を継続的かつ速やかに行う. NPPV のアドヒアランスを維持し効果的にNPPV を在宅で継続するためには,在宅医療における地域のリソー スが非常に重要で,特に訪問看護ステーションおよび居宅介護支援事業所との連携は必須となる.したがって,在宅NPPV へ向けて入院中から訪問看護師またはケア・マネージャーと早期に連携し,共同で患者への指導を行ったり,NPPV 業者と打ち合わせを行ったりすることで,在宅でのケアや機器・回路の点検などを訪問看護師およびケア・マネージャー,業者の担当者に委託することが可能となる.在宅移行後は病棟と連携している看護外来あるいは外来看護師が要となり,訪問看護師をはじめとした地域のリソースと連携を取り,定期的なカンファレンスなどにより,自宅での療養状況や問題点などを早期に共有し解決策を話し合うことができ,患者へのフィードバックも速やかに行える.遠方に居住する患者に対しては,その地域の医療機関に応援を依頼し,情報交換を密に行うことでスムーズな対応が可能となる. CQ.NPPV を施行する患者・家族の経済的・社会的支 援を誰が行うか? 1在宅NPPV 患者が経済的・社会的支援を最大限利用 できるよう,医療者がサポートする . 在宅NPPV 療法は健康保険給付の対象だが(別項参照),一部自己負担もある.慢性呼吸不全に対する「身体障害者認定」においては,認定基準(表1)に照らすと医療費補助の対象となる1 級は少なく,3 級が多い.しかし,3 級の医療費補助は都道府県により差があり,患者の経済的負担が大きくなる場合がある.特発性間質性肺炎など厚生労働省の「特定疾患治療研究事業」の対象疾患であれば重症度により公費の援助が得られる.さらに通院や生活のための諸費用に対する配慮も必要である.入院中から積極的にケースワーカーのかかわりを促し,退院後も患者・家族を交えて継続的に負担軽減の方策などを話し合い,見直しを行う. 活動的な患者では旅行を希望する場合も多くあり,身体障害者手帳があれば公共交通機関による交通費の割引が得られるほか,酸素機器やNPPV 機器などについて提供業者によるサポートを依頼できる.医療側の介入は,旅行計画に基づくケアプランの作成や物品の整備,実際に利用する乗用車などを用いたシミュレーションなどを行う.特に緊急時の対応に関する準備が重要である.一方,航空機の利用においては,航空会社に対する事前の連絡に加え,担当医の診断書,酸素付与の適応,使用できる機器の選択や同行する介助者のケアプランの作成など,より詳細な手続きが必要となるが28),一定の基準は定められていない. 推奨度C1レベルVI 推奨度C1 レベルVI 推奨度B レベルVI レベルVI 推奨度C1