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p.64 抽出テキスト

QOL の改善をもたらすことが示されており13),併せて推奨される.

3 栄養サポート

CQ.NPPV 中の栄養投与をどのように行うか?

1NPPV 中は早期から十分な栄養投与を行

う. 2経口摂取ができない症例においては,経腸栄養を行

う.

一般に人工呼吸が必要な重症患者では積極的な栄養療法が推奨されている14〜16).また,慢性期のCOPD 患者や神経筋疾患症例などにおいて,栄養療法は強力な支持療法のひとつである17〜19).NPPV ではマスクの付け外しが容易であることから,嚥下機能に問題がなく短時間のNPPV 中断に耐えうる症例においては,十分な経口摂取が推奨される.慢性期の症例においては,食思不振や呼吸仕事量の増加に伴う相対的な低栄養によりBMI の低下がみられるため,食事量だけでなく摂取可能な栄養素の組み合わせも重要で,入院中に加え在宅においても管理栄養士のサポートを得て栄養管理を行うことが望ましい.

急性呼吸不全で重症度が高く,マスクを外すことが困難な症例や,安定していても嚥下機能に問題がある症例では,胃管による経腸栄養が推奨される20, 21).通常,経鼻胃管を用いるが,長期にわたり経腸栄養を施行する場合は胃瘻造設を考慮する22).一方,NPPV 中は嘔吐や胃食道逆流症により胃内容物が口腔内に達すると誤嚥を生じる可能性があるため,腸管機能の評価や呑気,嘔吐・逆流の有無をチェックする.明らかに逆流・誤嚥をきたしている場合は,胃管によるドレナージ,NPPV の設定圧の調整や中断も検討する.一部の神経筋疾患症例では,胃瘻造設と同時に噴門形成術を施行することで胃食道逆流症を予防し,予後が改善することが示されており23),栄養投与に伴う合併症への配慮も重要である.

CQ.NPPV 中に経口摂取に向けての必要な援助は?

1NPPV 中は口腔乾燥や口腔衛生に関して,医療者に

よる評価および介入が有用である

.

2高齢者や脳卒中の既往がある症例では,嚥下機能の

スクリーニングを行い,必要に応じて言語聴覚士による介入・訓練を行う.

NPPV では鼻咽頭の生体加湿機能が維持されるにもかかわらず,口腔乾燥をきたしやすい.その理由として,吸入ガスの加湿不良や吸気流量の増加,口呼吸に伴う生体による加湿不足,過剰な負の水分バランスに伴う粘

液・唾液の分泌不良などがあげられ,評価の必要性が示されている24).鼻・口腔内が乾燥すると粘膜が障害され,繊毛運動や分泌機能が低下し鼻閉などの機能異常が惹起される.そして病原微生物への防御機構や分泌物の排除が低下して口腔衛生が不良となり,気道感染をはじめとするさまざまな合併症を招くことになる.したがって, NPPV の継続中は,特に口腔ケアに重点を置く必要があり,その内容としては乾燥など口腔内の評価および加湿への配慮,口腔内細菌叢を減じるための介入(ブラッシングと洗浄・回収,保湿剤の適正使用)を行う.う歯や歯肉炎などを認める場合や,ケアスタッフで十分な口腔ケアが困難と判断される場合には,歯科医師や歯科衛生士といった専門家を依頼し,スタッフ教育と併せて口腔ケアのサポートを行ってもらう.

高齢者や脳卒中の既往がある症例では,嚥下機能の低下をきたすことが多いが,これらの症例を含む急性期のNPPV では約5%で誤嚥をきたし,それが肺炎の原因となって予後の悪化につながる25).リスクの高い症例においてはケアスタッフで初期評価を行い,問題があれば言語聴覚士の介入を仰ぎ,早期から専門的な評価と訓練を行うことが,肺炎の予防や嚥下機能の維持・回復につながると考えられる.また,慢性期の症例においても,口腔内や嚥下機能の定期的な評価は重要であり,慢性呼吸器疾患の増悪を予防し,入院回数の減少につながる可能性がある.

4 マスクに関連する皮膚ケア

CQ.NPPV 中に行う顔面の皮膚ケアは?

1早期からマスクによる皮膚障害を意識し,介入す

る.

NPPV を使用する場合にはマスクの選択やフィッティングが重要だが(総論5「慢性呼吸不全におけるNPPV の導入方法」を参照),加えて急性期・慢性期を問わずマスクによる発赤やびらん,褥瘡といった皮膚障害を想定し,予防に努める.皮膚の発赤やびらんは,皮脂によるマスクの汚染やマスクの圧迫に加えて,マスクの材料に対するアレルギー反応や接触性・感染性の皮膚炎に起因するものもある25).褥瘡は圧迫による血流障害で生じ,鼻根部や頰部に多くみられるが,いったん生じると治療は困難であり,マスクのストラップを締め過ぎないあるいはストラップを締めたままでマスクの位置調整を行わないなどの配慮が必要である.慢性呼吸不全症例では,24 時間の使用例もみられるので,さまざまなタイプのマスクや鼻プロング,マウスピースなどを時間帯や患者の生活行動により使い分けて皮膚障害を予防するとよい.

推奨度BレベルIV

推奨度C1

レベルVI推奨度B

レベルIV

推奨度B

レベルIV

推奨度B

レベルIV