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では医療スタッフの技量に依存する程度が大きく,十分に経験を積んだ施設で慎重に行うべきである.また, NPPV を開始するタイミングはできるだけ早めのほうが,成功率が高くなるとされる8〜10). NPPV が禁忌とされる病態を表1 に示す11).絶対的禁忌は「呼吸停止」と「マスクの装着不可」であり,後者は顔面の外傷や熱傷,解剖学的異常などが含まれる.一方,バイタルサイン不安定や不穏,誤嚥,大量の喀痰,上腹部手術などは相対禁忌とされ,もし行う場合は十分なモニタリングのもとで慎重に実施することが求められるが,改善がなければ挿管・人工呼吸へ速やかに移行することを意識すべきである. CQ.患者・家族へのインフォームド・コンセントをど のように行うか? 1NPPV 導入時は患者および家族に十分な説明を行い, 効果や合併症に関して共通理解を得る . 2予想される経過や予後について明確にし,気管挿 管・人工呼吸まで行う,NPPV を上限とする(do-notintubation),患者に負担を強いる呼吸管理は行わず安楽を優先するなど,患者・家族の意思決定を支援する. インフォームド・コンセントを得る際に,医師は患者とのパワーバランスに留意してその訴えに耳を傾け,医学的・経験的見地から助言し目標を明確に示すことが推奨されている12).NPPV においては,患者の状態や希望により治療のゴール設定が大きく異なる.Curtis らthe Society of Critical Care Medicine Palliative Noninvasive Positive Pressure Ventilation Task Force は,NPPV 治療のゴールを3 つのカテゴリーに分け(1制限なしの積極的治療,2NPPV が上限・気管挿管なし,3快適性優先・緩和医療),どれを目指して治療を行うかを患者側と導入前に意思統一するべきとした13).また,患者や家族の価値観を優先すべきだが,難しい判断も少なくないため, 医療者が患者側の立場を考慮して援助することを勧めている.しかし,実際には導入時の説明や相談への対応が不足し,不安を感じている症例が多数あることも指摘されている14). NPPV では挿管・人工呼吸管理に比較して重篤感が乏しく,家族や医療スタッフが病状を軽めに認識する場合がある.しかし,重篤な病態ではNPPV なしでは生命維持が困難という場合もあり,疾患の重症度や予後なども家族やスタッフと共通理解を得ておく. 3 導入期の安全 CQ.NPPV を安全に行う施行場所とは? 1急性呼吸不全症例へのNPPV は,容態変化に速やかに対応可能な場所で行う(ICU またはHCU,それに準じた場所) . 欧米では,急性期のNPPV 症例のうち1/3 がICU,もう1/3 が救急外来で開始されており,残りの1/3 はICU からのstep-down unit や一般病棟などで開始されている2, 15).しかし,ICU 以外で行われるNPPV では,ICU より合併症が多いことが指摘されており1),適切な施行場所やそこに求められる条件について現在も検討が続いている.また,同一施設のなかでも部署によりやり方が異なることも多く,一定の基準(プロトコル)に基づいて標準化を図る必要がある15). 日本では「日本医療機能評価機構」が“医療事故情報収集などの事業”を行い,毎年データの一部が公開されているが(http://www.med-safe.jp/),NPPV に関連する事例も散見される.たとえば,一般病棟でNPPV 治療中にマスクが外れ,低酸素をきたし心停止となった事例などである.慢性呼吸不全の安定期への適応など比較的余裕のある場合を除いて,NPPV では急な状態変化と緊急の気管挿管への対応に重点が置かれるべきである(表 レベルV 推奨度C1 推奨度C1 レベルVI推奨度B レベルIV 表1 NPPV が禁忌とされる病態絶対禁忌 相対禁忌 (意識障害),興奮状態,治療に非協力的 (顔面含む)・食道・胃の手術後 (文献11 より引用改変)