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p.45 抽出テキスト

の清潔,清掃方法について十分説明を行い,在宅へ移行する.

5 NPPV のゴール

表3 に示すように,急性期では,呼吸困難,呼吸仕事量の軽減,挿管の回避などであり,長期では,睡眠障害の改善,QOL を最大限にすること,予後の改善となるが26),いずれにしても導入することが第一歩となる.

6 許容限界

NPPV の許容限界は,腹満をきたすIPAP 圧で,呼吸数を30 程度としてもPaCO2 が低下しないなどの設定上の限界および,喀痰喀出困難,誤嚥など上気道機能の問題,低血圧,重篤な不整脈などの循環系の問題,患者が拒否するなどの場合である.認知症などの場合はケアギバーが確保できれば可能である.NPPV 使用中に,呼吸困難の増加,PaCO2 の上昇(80〜90mmHg),喀痰喀出困難などが起こってくると挿管あるいは気管切開下人工呼吸に移行するかどうかを患者,患者家族と相談することになる.可能であれば,事前に挿管下人工呼吸まで行うかど

うか決めおくことが望ましい.

7 NPPV の合併症

陽圧負荷,マスク使用による不快感,睡眠時使用による不眠などがあり,表4 に示す26).重篤な合併症として,急性の胃拡張27),気胸があるが28, 29),胃拡張では胃チューブ下に,気胸では胸腔ドレナージ下にNPPV を使用可能である.また,間質性肺炎では気胸を起こしやすい30).酸素を高流量付加する場合には無気肺の症例報告があるため,加湿器の上流より付加することが望ましい31).また,顔面の発達過程にある小児ではマスクの使用による顔中部の低形成が報告され32),陽圧による目のherniation も報告されている33).特に重篤な合併症として,血液凝固因子阻害薬使用例での血気胸症例34),腎癌術後の食道瘻による死亡例35),原因不明の食道破裂の3 年後にNPPV が導入され,5 ヵ月後に食道瘻を起した症例報告

表2 NPPV 導入後のモニターリング1.バイタルサイン,SpO2,呼吸の同調性,呼吸困難度(Borg スケールなど,客観的な尺度を用いるのが望ましい),意識状態,呼吸音,呼吸補助筋の緊張,リークの有無と場所(SpO2)の急速な低下・変動は,エアリークの増加,気胸,病態の悪化,誤嚥,去痰不全,流量計・酸素チューブの接続不良を考慮する. 2.血液ガス分析:少なくとも改善あるいは安定と判断されるまで繰り返し測定30 分ごとに行う. 3.NPPV のモニター項目:設定モード,設定呼吸回数,酸素濃度(流量),IPAP,EPAP,換気量(一回換気量,分時換気量),リーク,トリガー状態,機種によってはグラフィックモニター,重症例に対しては可能な場合経皮的CO2 モニター4.マスク装着に関する観察:マスク不快感,鼻の腫脹,鼻の乾燥,皮膚の発赤・びらん,眼の刺激感,腹部膨満感,食物誤嚥5.その他必要とされる項目:浮腫,水分出納,喀痰喀出状況,排ガス,排便,睡眠状況,栄養状態(谷口博之作表,著者改変)

表3 NPPV のゴール短期(急性期を含む) 1.症状の軽減2.呼吸仕事量の軽減3.血液ガスの改善・安定4.患者の不快感を少なく5.患者・人工呼吸器の一体性6.リスクは最少に7.挿管を避ける長期1.睡眠時間・質の改善2.QOL を最大に3.機能的状態を増加4.寿命の延長(文献26 より引用)表4 NPPV の合併症

○マスク関連・不快感30~50%・顔面の皮膚の紅斑20~34%・閉所恐怖症5~10%・鼻根部潰瘍5~10%・にきび様皮疹5~10% ○圧・流量関連・鼻のうっ血20~50%・副鼻腔・耳の痛み10~30%・鼻,口の乾燥10~20%・眼への刺激10~20%・腹部膨満5~10% ○漏れ80~100% ○重篤な合併症・誤嚥性肺炎<5%・低血圧<5%・気胸<5% (文献26 より引用)