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p.43 抽出テキスト

作用があるがために漏れがあれば高流量となり,熱と湿気の喪失が起こりやすい.CPAP の際に,口漏れがあると,鼻抵抗は増加し,一回換気量が低下するが,加温加湿器(heated humidifier:HH)で防止可能である1).正常被験者を対象に,加湿なし,HH,heat moisture exchanger (HME)の1 時間の比較では,HH で漏れがあっても,湿度の低下はなく,加湿なしでは,口の乾燥感が強い2). HME では,死腔量の増加によるPaCO2 の増加,抵抗の増加による換気量の増加のために呼吸仕事量が増加し,呼気時に漏れがあれば湿度付加の低下があり,NPPV では使用すべきでないとされる3, 4).

COPD による慢性呼吸不全を対象とした報告では, HH とHME を6 ヵ月ごとに交替使用し,副鼻腔感染,肺炎などがHH で少ないものの,有意差はなく,増悪による入院に有意差はなく,多くの症例がHH を好んだ5).ヘルメット型インターフェイスを使用時は,ヘルメット内の湿度,温度に注意する必要がある6). c.マスク

マスクはマン・マシーンインターフェイスとしてNPPV において最も重要である.近年,多種類のマスクが発売されているが,それぞれに長所と欠点があるので,ピロー型,鼻マスク型など数種類用意し,漏れと患者の好みにより選択する.

患者の不快感の少ないものが使用されるが,鼻呼吸では鼻マスクあるいはピロー型が,口呼吸であれば,鼻口マスクが使用される.また,顔全体を覆うトータルフェイスマスク,ヘルメット型などがある.マスクの容積が,どの程度,死腔として機能するかどうかは,機構的にマスクの一部に漏れる部分があるが(intentional leak),この穴の位置7),マスク周囲よりの漏れ,口漏れなどのunintentional leak,マスク内流量,EPAP などが影響する.一般的には容量が少ないほうがPaCO2 の改善はよいとされるが8, 9),マスクによる違いはほとんどないとする報告もある10).また,EPAP は4cmH2O 以下では再呼吸が増加する11, 12). d.マスク周囲よりの漏れ

bilevel PAP は機構的にintentional leak があり,またマスク周囲よりの漏れ,口漏れなどのunintentional leakがあり,ある程度の漏れは代償可能で,圧を維持することができる.顔面の形態にあった,患者の不快感の少ないマスクの選択によりunintentional leak を少なくすることができるが,限界を越えると換気量は維持できないためフィッティングの工夫,マスクの変更を考慮する. PaCO2 の低下を目的とする場合には漏れの少ないほうがよいと思われる.低酸素血症の改善にはCPAP 圧が維持されればある程度の漏れは許容できる. NPPV 用機器のソフトウエアにより,使用時間,漏れ,

一回換気量,呼吸数,分時換気量,患者によってトリガーされた呼吸,無呼吸低呼吸指数(AHI)などが測定される.機器によって正確性が異なり,一般的には一回換気量は低く計測され,吸気圧が高いと誤差が大きくなる13).これらの測定値とセッティングの変更などの実際にとった対策との関連について検討した報告ではオキシメーター記録の補助的使用にとどまるようである14). e.上気道抵抗

高度な鼻閉がある場合には必要なIPAP 圧が高くなり,また,口呼吸のために,鼻口マスクが必要となる場合がある.睡眠に伴って上気道抵抗が増加し,NPPV の効果が減弱する可能性があり15),睡眠時は少なくとも覚醒時のPaCO2 が維持されていれば有効と考えられる.閉塞性無呼吸を伴えば,無呼吸の消失する圧にEPAP を設定する必要がある.

声帯の動きは通常のNPPV では問題とならないが16),過換気となると吸気時に内側に動き,NPPV の効果を減弱させることが報告されている17). f.口漏れ

患者の協力が得られ口を閉じていることが可能であれば,覚醒時には口よりの漏れは少ないが,睡眠時には開口のためにしばしば口よりの漏れが起こる.睡眠時呼吸異常が高度である場合には,少量の口漏れであれば, NPPV 非使用時の睡眠時に比べ,睡眠中の呼吸異常は軽くなると考えられる.しかし,睡眠時の開口による口漏れは中途覚醒の原因となることがある18).

覚醒時,患者の協力が得られず,口漏れが高度である場合は鼻口マスクを使用する.睡眠時の口漏れがある場合にはテープを貼る,chin strap の使用あるいは鼻口マスクを使用する.鼻口マスクは,患者の協力が必要ないため,急性期にははじめに鼻口マスクを使用し,慣れれば鼻マスクに変更するという考え方もある19).また,NPPVが長時間必要な場合には,マスクの交替使用により,装着部位の圧迫による障害を防止できる.睡眠時に口漏れがあり,覚醒時には口を閉じることができる場合には,睡眠時鼻口マスクを使用し,覚醒時は鼻マスクを使用する.睡眠時,覚醒時ともに開口してしまう場合には睡眠時トータルフェイスマスク,覚醒時鼻口マスクとすると鼻根部の潰瘍形成などの予防が可能である. g.食道・胃への漏れ

陽圧のため,胃へ空気が漏れ,腹部膨満となる.この際,患者の耐えられる腹部膨満をきたす気道内圧が, IPAP の上限となってしまう.このような場合,換気量の増加のためには呼吸数を増加させる.胃・食道チューブ