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せる.2機能的残気量をクロージングボリューム以上に増大させることで末梢の気道を開き,虚脱した肺胞を開存させ,肺胞でのガス交換を増加させてシャントを減少させることにより酸素化を改善する.3急性呼吸窮迫症候群(acute respiratory distress syndrome:ARDS)などで,隣り合う虚脱した肺胞ごとに吸気時の拡張の程度が異なるため肺胞間隔壁に生じるshear stress をEPAP が肺胞虚脱を防ぐことで軽減し,肺損傷の進展を抑える. 4COPD の増悪時のように内因性PEEP が発生している症例では,過膨張を防ぎつつ吸気トリガー感度を改善させる8).5静脈還流量の減少による心臓前負荷の軽減, transmural pressure の減少による心臓後負荷の軽減により心不全や心原性肺水腫を改善するなどの効果があることが知られている2).まず適切なEPAP を設定し,換気量を保つための適切なpressure support を供給できるように,IPAP を設定する. 2換気(呼吸)回数換気回数は,S/T モードでは,自発呼吸より2〜4 呼吸少ない値に設定する.T モードは,主として拘束性胸郭疾患や神経筋疾患で使用されるが,患者の自発呼吸を抑制するよう,多めの24 回/分前後に設定する.COPD では,T モードの換気回数はもっと低い値に設定することが多い. 3吸気時間吸気時間は,T モードを使用する場合,吸気時間率(% IPAP)として設定する.拘束性胸郭疾患では40〜50%, COPD では30〜40%に設定することが多い.最大吸気時間と最少吸気時間を設定できる機種において,最大吸気時間は患者が自発呼吸で行う最も長い吸気時間に合わせて設定する.これを設定しておくと,開口やマスクからのエアリークで吸気の終了が検出されない場合に有用である.一方,最少吸気時間は吸気トリガーが検出された後,最低限の吸気時間を確保するために設定するが,長過ぎないように注意する. 4トリガー感度吸気,呼気トリガー感度が変更できる機種では,吸気トリガー感度は,前述のようにauto triggering しない範囲で鋭敏に設定する.呼気トリガー感度は,COPD のように吸気流速の減弱しにくい症例では鋭敏に設定し,拘束性疾患のように吸気流速の減弱しやすい症例ではauto cycling しないようにやや鈍く設定する. 5ライズタイムトリガー検出からIPAP を開始するまでの応答時間や吸気開始からIPAP への到達時間(ライズタイム)は機種によって異なる9).ライズタイムは,一般的にCOPD で0.05〜0.1 秒,拘束性胸郭疾患で0.1〜0.2 秒程度に設定することが多い.ライズタイムが短過ぎると圧の立ち上がりが急峻過ぎて圧迫感を感じ,反対に長過ぎると吸気(送気)不足を感じる. 急性期にはS モードあるいはS/T モードが使用されることが多いが,吸気・呼気トリガーに難があれば,トリガー感度を変更して対応したり,EPAP を上げたりIPAPを上げ下げして調節する.それでも患者と人工呼吸器が同期しないときはT モードに変更するとうまくいくことがある1). 慢性期(在宅)では症例ごとにそのときの病態に合わせてモードを選択することが望ましい.S モードでも夜間睡眠時の低換気をかなり改善するが,REM 睡眠期など自発呼吸が減弱する睡眠ステージでは十分な換気が得られないこともまれではないため,それを考慮してS/T モードが選択されることが多い.さらには呼吸筋の休息のためにはS/T モードよりT モードのほうが優れているという可能性も報告されている10, 11).結局のところ,モード選択に関しては画一的な方法はなく,個々の症例の病態に合わせた選択を行うことが重要である. 3)その他の自動調節モード 1proportional assist ventilation(PAV)人工呼吸器にて自発呼吸の補助を行う際に,気道抵抗に加え肺・胸郭の弾性にも着目した換気モードであるが,このモードが採用されているNPPV 専用機種は少ない.急性期用のNPPV 専用機種でPAV/T モードという形で採用されている.このモードはあらかじめ気道内圧を設定するのではなく,呼吸筋発生圧(自発呼吸下でのエラスタンス)に対して一定の割合で気道内圧を保てるようにサポートするPAV モードに,一定時間内に自発呼吸が検出されないときのバックアップ換気を行うT モードを付加したものである.閉塞性・拘束性・混合性呼吸不全に対する既定のVA(volume assist)値,FA(flow assist)値があらかじめセットされているが,患者ごとに設定することも可能である.患者と呼吸器を同調させるためpressure support より患者には快適とされており,原理的にはその後の調整も少なくて済むのだが,初期設定方法が複雑であまり広まっていない. 2volume assured pressure support(VAPS)モード一般的に従圧式人工呼吸では呼吸努力の増減,胸郭コンプライアンスや気道抵抗が変化するため,一回換気量が変動する.したがって症例によっては,十分な換気量が確保できないことがある.これに対して,VAPS モードは目標換気量を維持するように自動調節するモードである.急性期用および在宅用のNPPV 専用機種で採用されており,目標の一回換気量に対してpressure supportを設定した範囲で自動調節するもの12, a)や,目標の分時肺胞換気量に対してpressure support のみならず呼吸回数も自動調節するもの13, 14)もある.これら新しいモードの効果に関するエビデンスは,徐々に蓄積しつつある.