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p.25 抽出テキスト

痰能力が著しく低下した症例において,NPPV を継続するためには気道のクリーニングが必須条件である.このため,排痰を促進するために咳を補助するさまざまな工夫がなされている.用手的な呼気介助も有効と思われるが,十分に吸気を肺内に溜めてからの呼出がより有効なため,NPPV を行いながらの呼気介助も行われている.その排痰用mechanical insufflation-exsufflation(MI-E)の専用装置としてカフマシーンやカフアシストがある1).これは鼻口マスクを用いて,吸気時に最大40cmH2O の陽圧をかけ,呼気時に最大−40cmH2O の陰圧をかけることのできる装置である.手動で呼気・吸気を切り替えることも,吸気時間・呼気時間を設定しておいて自動的に陽圧・陰圧をかけることも可能である.呼気時に用手的呼出介助を併用することも行われており,神経筋疾患やCOPD 症例で有効性が報告されている6, 7).

2 人工呼吸器のモードと設定

a.従量式人工呼吸器

従量式の人工呼吸器では,control モード,assist/control モードのいずれかを使用することが多い2).一回換気量は,マスク周辺や口からのエアリークを考慮に入れて,挿管下人工呼吸よりも少し多めの10〜15mL/kg に設定する必要がある2).

・control モード:あらかじめ設定した分時呼吸数と一

回換気量に従って調節換気を行う.・assist/control モード:自発呼吸に応じて吸気を開始

し(吸気時間と換気量は呼吸器の設定に従う),一定時間内に自発呼吸が検出されないときは,設定した一定の時間間隔で調節換気を行う. b.従圧式人工呼吸器1)従来式人工呼吸器モード

ほとんどの従圧式NPPV 専用機種では,CPAP モードとbilevel PAP モードが選択可能である.IPAP やEPAPのみならず症例,病態に合わせてさまざまな設定が可能であり,pressure-relief 機構を付加できるものもある.より新しい機種では疾患特異的なその他の自動調節モードが選択できる.これらを表1 にまとめる.・CPAP モード:自発呼吸の存在下で吸気,呼気とも

一定圧をかける.・bilevel PAP モード:S モードやS/T モードのよう

に,主として人工呼吸器が患者の呼吸に合わせるタイプの換気形式と,T モードのように患者が人工呼吸器の送気に合わせる換気形式がある. S モードは,呼吸回数,吸気時間,呼気時間を患者の呼吸パターンに合わせて行う.S モードの派生型としてpressure control モードを備えている機種もある.これは,患者の吸気をトリガーしてIPAP を開始するが,設定した時間だけIPAP を供給したあとEPAP に切り替わる(タイムサイクル)モードで,従量式のassist/controlに似ている.

S/T モードのバックアップ換気は,設定された時間内(たとえばバックアップ換気回数を10 回/分に設定すれば6 秒間)に自発吸気がない場合にIPAP が供給される.この際にIPAP 供給時間は機種により異なり,あらかじめ設定された時間(タイムサイクル),あるいはS モードと同様のアルゴリズムで吸気終了を感知して,IPAP からEPAP に切り替わる.

T モードは,設定した呼吸数,吸気時間または吸気時間率(%IPAP)での調節換気である.T モードのない機種もあるが,S/T モードを用いバックアップ換気回数を多く設定することで,ほぼT モードと同様の換気が可能である. 2)設定の実際

1IPAP とEPAP IPAP とEPAP の差をpressure support といい,吸気中にpressure support をかけることで,患者の吸気仕事量が軽減し,肺胞換気量の増加により吸気筋疲労が軽減され,血液ガスが改善する.pressure support が低過ぎるとPaCO2 がかえって上昇したり,pressure support が高過ぎると口やマスクからエアリークを招いたり,空気嚥下から腹部膨満感を生じたりする場合がある.T モードを用いる場合は,pressure support が小さ過ぎると人工呼吸器との同調が悪くなるのでS/T モードより2〜4cmH2O 高めに設定する.

EPAP には,以下のような効果が期待される.1閉塞性睡眠時無呼吸に用いるCPAP と同様に上気道を開存さ

表1 従来式NPPV 専用機種における換気モード1spontaneous(S)モード:自発呼吸のみを補助する.いわゆるpositive end expiratory pressure(PEEP;EPAP と等しい)+pressure support に相当し,IPAP とEPAP の時間と呼吸数は患者の自発呼吸に依存する. 2T(timed)モード:あらかじめ設定した分時呼吸数とIPAP 時間に従って調節換気を行う. 3S/T モード:自発呼吸に応じてS モード運転を行うが,一定時間内に自発呼吸が検出されないときに,バックアップとしてIPAP が供給される. 4CPAP(continuous positive airway pressure)モード:吸気呼気ともに一定の圧をかける.