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p.19 抽出テキスト

ているが,PaCO2 の低下と呼吸筋力の増加とは相関しない.1991 年PaCO2 の40mmHg 台の症例を対象に,陰圧型人工呼吸器の使用による呼吸筋安静により運動能力が増加するかについての多数例のprospective randomized trial が行われ,その結果は有効ではなかった14).その後, COPD を対象とした呼吸筋安静の試みは少なくなったが, 1995 年bilevel PAP(bilevel positive airway pressure)を使用し,安静時の呼吸困難の改善と6 分間歩行テストの距離の増加が報告されている15).これらの報告より, PaCO2 60mmHg 以上であれば,覚醒時,睡眠時を問わず1 日何時間かの人工呼吸により,PaCO2 の低下などを期待しうると考えられる.また,運動負荷時にNPPV を併用し運動能力を改善する試みや16〜18),昼間に運動療法を行い,夜間にNPPV を使用し,運動能力を高める試みも行われ19),2 年間の併用で,QOL,6 分歩行テストの改善が報告されているが20),これらの対象例のPaCO2 は50mmHg前後である.近年では,COPD でより高いIPAP でNPPVを導入し,同じ設定での歩行時の使用も報告されている21).詳細は各論B-7「リハビリテーション」を参照. 4 睡眠呼吸障害

睡眠呼吸障害は,覚醒から睡眠に伴う呼吸生理学的変化の影響が大きい場合に睡眠時血液ガスが悪化し,夜間の呼吸困難,不眠,頻回の中途覚醒,覚醒時の頭痛,昼間の傾眠,倦怠感などの症状が出現する. a.睡眠呼吸障害の診断

睡眠呼吸障害の検査の標準となる方法はポリソムノグラフィー(polysomnography:PSG)であり22),脳波,眼電図,オトガイ筋電図により,睡眠段階,覚醒(awaking),短期覚醒(arousal)が判定される.鼻,口での気流測定,胸部,腹部の呼吸運動,オキシメーターによる酸素飽和度の測定により,無呼吸,低呼吸,無呼吸の型などが分類される.PSG の測定,評価には人手,時間がかかるために睡眠呼吸障害の評価のために,PSG の測定項目のうち呼吸・循環に関連した数項目を選択して行う簡易測定,オキシメーターのみの測定を行う場合がある.オキシメーターのみの測定では無呼吸の型は判定できない.PCO2 の連続測定は現在のところ,血液ガス測定と較正した経皮PCO2 ガス電極が使用可能である23).

120 100

80 7.6

7.4 7.2

60 40

20 2 4 6 8 10

(mmHg)

PaO2

(mmHg)

PaCO2

(%)

SaO2 PaO2

SaO2

pH

PaCO2

(L/min)肺胞換気量

pH

図1 肺胞換気量とPaCO2 の関係

高二酸化炭素血症があると,肺胞換気量のわずかな増加でもPaCO2 が低下する.逆にわずかの低下でも高二酸化炭素血症は悪化する. (文献10 Chapter 2. gas exchange. Fig. 2.4, p23 より引用,著者改変)