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が得られることが,日本からの別の非ランダム化試験の結果で示されている34).しかしながら,常に一定のプレッシャーサポートがかかるため,CSR の過換気の際にむしろ低二酸化炭素状態になってCSR の病態そのものが改善しない可能性や患者の不快感などが懸念され,その後のadaptive(or auto)-servo ventilation(ASV)の普及とともに使用されることが少なくなっている. もうひとつのNPPV 療法としてbilevel PAP のプレッシャーサポートの程度やバックアップ換気を患者の呼吸状態に合わせて変化させるASV がある.CSR の抑制に関しては,酸素吸入療法,CPAP,bilevel PAP と比較して最も効果的であるとされ35),CPAP やbilevel PAP でAHI の低下不十分であった症例に対してもより大きなAHI 低下効果があることが,海外からおよび日本からも報告されている36, 37).また,多数の非ランダム化試験でLVEF や運動耐容能の改善効果が示されているが2, 3),ランダム化試験でも適切な治療設定をしたASV(therapeutic ASV)と不十分な治療設定をしたASV(sub-therapeutic ASV)を比較するとtherapeutic ASV 群で1 ヵ月後の尿中カテコラミン排泄量の低下や血中BNP レベルの低下が有意に大きいなどの報告がなされている38).また,CSRを合併したCHF 患者において2 ヵ月間のASV と酸素吸入療法を比較したランダム化クロスオーバー試験では,非常に少数例での検討であったことと試験デザインの関係もあり,いずれの群でも心機能の改善効果は認められなかった39).一方,同じくCSR を合併したCHF 患者においてASV とCPAP の効果を比較したランダム化試験と,日本で行われた閉塞性睡眠時無呼吸とCSR が混在するCHF 患者においてASV とCPAP の効果を比較した多施設ランダム化試験のいずれにおいても,LVEF の改善に加え,装置の使用アドヒアランスやQOL の改善がASV 群で有意に大きかった40, 41).一方で,bilevel PAP とASV を比較したランダム化試験では,LVEF の改善に両群間で差はなかったが,群内の前後の比較ではbilevel PAP 群でのみ有意な改善を示した42).これらの結果を考慮したメタアナリシスが行われ,全体でLVEF は6%の改善とされたが,このメタアナリシスではランダム化試験のみならず非ランダム化試験の結果も含まれており,結果の解釈には注意が必要である43).また,日本における別の小規模ランダム化試験においてa),CPAP nonresponder に対しASV 装置を使用してCPAP モードで継続した場合とASV モードで継続した場合に無作為に割り付け,3 ヵ月後のLVEF の変化などの心機能の改善が比較された.この結果,ASV モード群でのみAHI が有意に低下しLVEF も改善,LVEF の変化に両群間で有意差があった.したがって,CANPAP 試験において予後の改善がみられなかったCPAP non-responder に対しても, ASV でAHI を十分に低下させることで心機能の改善につながる可能性が示唆された.一方で,より長期(12 ヵ月) の効果をASV とCPAP で比較したランダム化試験では,血中BNP 濃度の改善はASV 群で有意に大きかったが, LVEF の改善や運動能の改善では有意差はなかった44).この試験においては左室収縮機能の保たれたCHF 症例を含んでいたことが結果に影響したと考えられる.また, ASV と従来治療のみをより多数例(37 例と35 例)で比較したランダム化試験でも,3 ヵ月でのLVEF の改善は両群間に有意差はなく,BNP の改善がASV 群で有意に大きかったb).この研究では,有意差はないもののASV 群のβ 遮断薬や利尿薬の内服率が低いことや,観察期間中にASV 以外の治療内容に変更があったことなどが結果に影響した可能性がある.いずれにしても,CHF 患者の予後に影響を及ぼす血中BNP 濃度の改善はASV で有意であり,一定の効果があることを表していると考えられる.現在,CHF に合併したCSR およびOSA を対象として,死亡率などハードエンドポイントをASV と従来治療で比較した大規模ランダム化試験が2 つ行われておりc),その結果によってはASV の位置づけが大きく変わる可能性がある.現状ではASV によるCSR 治療は少なくとも1〜12 ヵ月の使用で心機能もしくは肺うっ血の状態を改善する可能性が高い治療オプションであり,CANPAP 試験のサブグループ解析や短期間の小規模ランダム化試験の結果を考慮し,さらに日本の保険制度上でのコストの問題を加味して治療選択をすべきと考えられる. 4 実際の治療導入・治療選択 CSR に対する長期の大規模介入試験で明確に利益があるとの結果が出ていないことから,CSR がCHF の状態を反映する単なるマーカーであるのか,それともCHF を改善しうる治療ターゲットなのかはいまだ意見の分かれるところである.また,治療を検討する際の適応基準も議論の余地がある.日中覚醒時のCSR に対する治療に関する検討はなく,これを治療する意義は今のところ明らかではない. そのような状況ではあるが,これまでの心機能改善など短期効果のエビデンスを加味して提案できる治療ストラテジーを図4 に示す. CHF に夜間睡眠中のCSR を合併した場合には,睡眠ポリグラフに基づくAHI≧5 からでも内服薬など心不全治療の適正化を再考する.すでに適正化されている場合にCSR をターゲットとした治療を検討する.これまでの小規模臨床試験における対象患者を考慮するとAHI≧15の中等度以上のCSR を対象とすべきと考えられるが, CPAP を用いる場合は,日本の保険制度上の適応基準を考慮しAHI≧20 とする必要がある.治療の第一選択としては,CPAP とASV のコストにおける大きな差を鑑みて