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p.137 抽出テキスト

知られており,これに加え,高齢,低PaCO2 血症,心房細動の合併,利尿薬の使用がCSR の独立した関連因子と報告されている5).また,CSR がCHF の予後悪化因子であることを示すデータがこれまでにも多数報告されている1).

CHF ではCSR は睡眠中のみならず日中覚醒時にも出現することが報告されており,その頻度は60%ともいわれている6, 7).さらには,そのような日中CSR の合併も睡眠中のCSR と同様にその後の予後悪化因子であることも報告されている8, 9).

2 病態生理

CSR は基本的にCHF によって生ずるものであり, PaCO2 が無呼吸閾値を下回り中枢性無呼吸低呼吸が生じることから始まることが多い.一般的にCHF 患者は,肺うっ血に伴うirritant receptor の刺激,中枢および末梢の化学受容体感受性の亢進から慢性的に過換気になりがちである1, 3).無呼吸閾値が上昇する覚醒状態から睡眠状態への移行期,覚醒反応の後に続く大きな換気によってPaCO2が無呼吸閾値を下回ると中枢性無呼吸が発生する1, 3).その後,PaCO2 が無呼吸閾値を上回ると換気が再開するが,化学受容体感受性の亢進により換気のオーバーシュートが起こり,PaCO2 が再び無呼吸閾値を下回るため,再度無呼吸が出現しCSR サイクルを形成する.中枢性睡眠時

無呼吸のあとの過換気の持続時間が肺から化学受容体までの循環時間や心拍出量の低下と関係しており,CHF 患者でCSR サイクルが継続する原因と考えられている1, 3).

このようにCSR はCHF の結果で引き起こされるものであるが,CSR が合併することによって心機能へ悪影響を及ぼす.特にCSR による睡眠障害と一過性低酸素血症などよって生じる交感神経活性の亢進により心機能や予後がさらに悪化するものと考えられている(図1).

3 CHF におけるCSR の治療

a.心不全治療によるCSR への影響

CSR はCHF の結果で引き起こされるものであるため, CHF の治療を適正化ないしは強化することがCSR を抑制する治療としてまず検討される.実際に日本の非ランダム化試験にて心不全治療薬であるβ 遮断薬や心臓リハビリテーションの一環としての運動療法によりCSR が抑制されたと報告されている10, 11).また,両室ペーシングによる心臓再同期療法に関するメタアナリシスでは,非ランダム化試験を中心にした結果ではあるがCSR のAHIの低下効果が報告されている12).さらには心臓移植の前後でCSR が抑制されたという報告もある13).これらの結果のほとんどがランダム化試験による結果ではないため,

中途覚醒↑交感神経活性↑カテコラミン

↑心拍数↑血圧

↓PaO2 ↑PaCO2

↓心筋酸素供給↑心筋酸素需要

中枢性無呼吸

過換気

↓PaCO2睡眠の分断

日中過眠↑化学受容体感受性肺迷走神経

求心路刺激

倦怠感肺うっ血脳血管血流

低下左心不全↓心拍出量↑左室充満圧

図1 CSR の病態生理

中枢性無呼吸=CSR とする. (文献1 より引用)