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p.133 抽出テキスト

度の減少の可能性を示唆する報告もある9) .

しかしながら,慢性安定期COPD におけるNPPV 併用治療と標準的治療を比較した7 つのRCT のメタアナリシスでは,PaCO2,PaO2,6 分間歩行距離,健康関連QOL,肺機能検査,呼吸筋力,睡眠効率のいずれにおいても,少なくとも3 ヵ月の治療期間ではNPPV の有効性は認められなかったa, b) .したがって,現在のエビデンスでは,安定期COPD に対する長期NPPVは,一律に有効性が期待できる治療とは言い難いが,小規模研究が多いため,今後のさらなる検討が必要である.

最近,高IPAP が,ガス交換の改善に有効であり,死亡率・入院率が低下するとの報告がある15, 16).メタアナリシスにおいても,高いIPAP 群(18cmH2O 以上),アドヒアランス良好群(1 日5 時間以上使用),ベースラインのCO2 高値群(55mmHg 以上)において,対照群と比較して有意なCO2 低下が認められたb).日本でのCOPD 患者は欧米と比べ痩せ型が多く,高IPAP の有効性や忍容性については,今後の検討が必要である.

CO2 貯留を伴うCOPD 増悪後の在宅NPPV 導入についても,その有効性を示唆する報告がある一方でc),RCT では再増悪予防や生存期間延長効果は認められなかったd).したがって,CO2 貯留を伴う増悪に対してNPPV を必要とした場合も,その後にNPPV を一律に導入する根拠は明確でなく,症例ごとにその適応を吟味する必要がある.

4 必要性

慢性安定期COPD に対するNPPV の有用性はいまだ確立されているとは言い難い.しかし,何らかの換気補助療法を必要としている症例に対して,NPPV はその簡便性と侵襲度の低さから必要であると考える.

これまでは,高二酸化炭素血症を伴う症例に対する換気補助療法はTPPV が中心であったため,多くの施設で躊躇しているのが現状であった.NPPV は,安定期COPD に対する治療に新たなひとつの選択肢が増えたことになる.

筆者の施設の検討では,NPPV 患者の在宅率は92%と良好であり,導入前後で,1 年あたりの平均入院回数・日数を比較すると,いずれもそれぞれ有意に減少していており,NPPV の費用効果が示唆された.今後はさらに,客観的なQOL 評価・経済効果などについての検証が必要と考える.

5 導入基準(表1)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の慢性呼吸不全患者の在宅呼吸ケアには,酸素療法を含めた薬物療法のみならず,包括的なアプローチが必要になる.NPPV の導入にあたっては,これらの薬物療法・酸素療法・呼吸リハビリテーションなど(いわゆる包括的内科治療)を行ったうえで,必要性を判断することが望ましい.最大限の包括的内科治療を行っているにもかかわらず,表1 に示すような自覚症状あるいは他覚症状があり,高二酸化炭素血症,夜間の低換気をはじめとする睡眠呼吸障害を認める症例および増悪を繰り返す症例が主な適応になる.

また,導入3〜4 ヵ月後に血液ガス検査,睡眠時呼吸状態・QOL・NPPV のアドヒアランス評価を行い,継続の必要性を評価する必要がある.

レベルI推奨度B

レベルIII

0 4,000

8,000

12,000

16,000

20,000

118 461 1,800 7,900 15,000 14,000

<200 536 1,250 2,800 10,400 17,500 16,200

1993 1995 1997 1998 2001 2004 2007

TPPV NPPV

(年)

図1 在宅人工呼吸症例数の変遷