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p.128 抽出テキスト

はなくNPPV を導入すべきとの意見もある23). a.生活の質の改善

長期NPPV は自覚症状を改善する.労作時の息切れの減少や,睡眠時間の延長や睡眠効率の改善,中途覚醒の減少,夜間の排尿回数の減少,起床時の頭痛の消失,日中の眠気と疲労感の軽減などが報告されている13〜17, 23〜25).また,下肢の浮腫などの肺性心の徴候も改善する.自覚症状の改善に伴い,掃除・洗濯・炊事・買い物などの日常活動能力が回復したり,再就業が可能になる症例もある.その結果,RTD 症例では長期NPPV に対する満足度が高い. b.入院日数および生存率の改善

Leger らの報告では,入院日数が,結核後遺症においてNPPV 導入前の31 日/年から導入1 年後10 日/年,導入2 年後9 日/年に減少し,脊椎後側彎症において34 日/年から1 年後6 日/年,2 年後5 日/年に減少していた13).生存率の代用として継続率を調査した研究で,Leger らの3年後の継続率が結核後遺症・後側彎症でともに約76%13), Simonds らの5 年後の継続率が結核後遺症で94%,後側彎症で79%であった14).PaCO2≧45mmHg を呈する日本の肺結核後遺症でのLTOT 単独治療症例の3,5 年生存率が74%,58%であり26),また日本のNPPV 症例がLTOT からの移行例を多く含むことから,長期NPPV の継続率は優れていると結論できる.多くのコホート研究から,脊椎後側彎症13〜15, 20, 27)や肺結核後遺症13〜15, 27, 28)では生命予後が改善されることは明白と考えられる.

生命予後を予測する因子として,導入前パラメーターとして夜間高二酸化炭素血症の程度,base excess,Hb が候補としてあげられているが29),RTD 症例では長期NPPV後に極めて呼吸状態が安定することから,最近では,予後予測として,導入数ヵ月後の改善した時点での血液ガス(PaCO2)が最も重要とする報告が相次いでいる30〜32).さらに,NPPV 導入後のPaCO2 の経年的変化率が予後に影響するかどうか検討され,COPD と同様に,導入後のPaCO2 の上昇が抑えられている症例ほど予後のよいことが報告されたa). c.生理学的指標の改善

RTD におけるNPPV 導入後の昼間の血液ガスの改善に関しては,夜間の著しい高二酸化炭素血症がNPPV により是正されることで,高二酸化炭素換気応答(HCVR)が回復する機序が最も有力である33, 34).昼間の高二酸化炭素血症や高二酸化炭素血症に伴う諸症状(眠気など)の改善には,夜間にNPPV を最低4 時間使用する必要のあることが示唆されているが34).一方,夜間の使用時間より使用中のIPAP を高くしVE を大きくする(NPPV 中のPaCO2をより下げる)ことのほうが重要とする意見もある35).ま

た,必ずしも夜間にNPPV を行わなくても同じ8 時間ほどを昼間に施行しても覚醒時のPaCO2 の同等の改善が得られることも報告されている36).さらに,NPPV を昼間に2 時間という短時間行うだけでPaCO2・肺機能・運動耐容能・呼吸困難感が改善したとする報告もある37).

血液ガス所見は長期NPPV 導入後数週間で改善し約5年間はその値を維持する13〜15, 31).そのため,LTOT を中止できる症例もある.夜間の低換気が改善し,全睡眠時間と全睡眠時間に占める深睡眠時間の割合が増加し,夜間覚醒回数が減少する38).また,最大吸気圧,最大呼気圧,肺活量が増加する場合がある.夜間のNPPV を継続することで,安静時および最大運動時の平均肺動脈圧が低下する39). d.呼吸リハビリテーションへの応用

NPPV の呼吸リハビリテーションへの応用には,1運動中の換気補助,2夜間のNPPV による呼吸筋の休息と昼間の運動リハビリテーションの組み合わせ,が試みられている40).詳細に関しては,各論B-7「リハビリテーション」を参照いただきたい.

4 RTD における長期NPPV の適応

RTD における長期NPPV の適応を考えるうえで,自覚症状の有無,睡眠時の低換気の有無,覚醒時自発呼吸下の高二酸化炭素血症の有無,が重要である.適応条件を表1 に示す.自覚症状を呈する場合,昼間覚醒時の低換気がある場合はもちろんのこと,昼間覚醒時の低換気がなくても夜間睡眠時の低換気があれば,長期NPPV を導入する.自覚症状はないが,覚醒時あるいは睡眠時に低換気となる症例には,患者を取り巻く環境を考慮に入れ

レベルIV

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レベルII

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表1 RTD における長期NPPV の適応基準(A)自・他覚症状として,起床時の頭痛,昼間の眠気,疲労感,

不眠,昼間のイライラ感,性格変化,知能の低下,夜間頻尿,労作時呼吸困難,体重増加・頸静脈の怒張・下肢の浮腫などの肺性心の徴候のいずれかがある場合,以下の(a),(b)の両方あるいはどちらか一方を満たせば長期NPPV の適応となる(a)昼間覚醒時低換気(PaCO2 ≧45mmHg) (b)夜間睡眠時低換気(室内気吸入下の睡眠でSpO2 < 90%が5 分間以上継続するか,あるいは全体の10%以上を占める) (B)上記の自・他覚症状のない場合でも,著しい昼間覚醒時低換気(PaCO2 ≧60mmHg)があれば,長期NPPV の適応となる(C)高二酸化炭素血症を伴う急性増悪入院を繰り返す場合には

長期NPPV の適応となる