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として使用すべきである.NPPV の初期設定としては, COPD などと同様に,低めの圧設定から開始するのが原則である.EPAP 5cmH2O 前後から開始し,酸素飽和度などをみながら4cmH2O 程度ずつ漸増するのが一般的である.胸部CT で肺胞の虚脱を伴う領域が広範であるなど,肺胞のリクルートメントが必要な場合には,EPAPを高めに設定する. NPPV のサポート圧は,呼吸数25〜30 回/分以下,一回換気量5〜6 mL/kg 以上を目標にすることが多い.ただ食道入口部の静止圧が20〜30cmH2O 程度であるため,誤嚥防止の観点から最大気道内圧が20cmH2O を超えないことが望ましい.初期治療としては吸入気酸素濃度(FIO2)1.0,もしくはSpO2>90%を達成できるFIO2 が用いられることが多い. 2 重症肺炎 重症肺炎の患者でNPPV が試みられることがあるが,一般に喀痰分泌の多い状態ではマスク装着に伴う喀出困難が問題となる.このため気道確保が優先される状況では,患者の安全のために挿管ないし気管切開を行うべきである.免疫能が正常な患者の重症肺炎に対してNPPV の適応を検討する場合,基礎疾患を考慮する必要がある.重症肺炎のためICU に入室し,NPPV が施行された連続症例184 名に関するコホート研究では,116 例(63%)で挿管を回避できたが,基礎疾患として心肺疾患を持たない患者のほうがNPPV の失敗率が有意に高かった24) .また,臓器障害からみた重症度スコア(SOFA スコア)や画像上の浸潤影の増悪傾向,NPPV 開始1 時間後の酸素化の改善が不十分,などがNPPV の失敗と関連した24) a.基礎に心肺疾患を持つ肺炎患者に対する NPPV の有効性前述のコホート研究では,基礎疾患として心肺疾患を持つ肺炎患者82 名にNPPV を施行し,61 例(74%)で成功した24).院内死亡率はNPPV 成功例で8%であったのに対し,失敗例では67%と高率であった24) .また,肺炎に起因する急性呼吸不全に対するNPPV の有効性を検討した前向きランダム化比較試験25)によれば,基礎にCOPD を有する症例においては,NPPV 非使用群と比べてNPPV 使用群で有意に挿管率が低く(55%vs. 0%),集中治療室の滞在期間が短く(8 日vs. 0.3 日),2 ヵ月後の死亡率が低値であった(63%vs. 11%)25) .一方,急性呼吸不全に対してNPPV を導入したCOPD 症例のうち,NPPV 失敗例(死亡あるいは気管挿管)の39%が肺炎による急性呼吸不全であり,成功例における肺炎の割合はわずかに9%であったとする報告もある26) .研究のエビデンスの質を考慮すると,COPD に合併した肺炎に起因する急性呼吸不全にはNPPV を行うことが推 奨される. b.基礎に心肺疾患を持たない肺炎患者に対する NPPV の有効性心肺疾患の既往のない患者では,NPPV 失敗率が高く,挿管の遅れが予後を悪化させることが報告されている24) .肺炎に起因する急性呼吸不全に対するNPPV の有効性を検討した前向きランダム化比較試験によれば,非COPD 症例ではNPPV の有効性が認められなかった25) .また,基礎肺疾患のない重症肺炎症例に対するNPPV の有効性についての検討では, 24 例中22 例でNPPV 導入初期に酸素化の改善と呼吸回数の減少が認められたものの,最終的には16 例(66%)で気管挿管を必要とした27) .これらの成績から,基礎疾患として心肺疾患,特にCOPD を持たない患者の重症肺炎に対するNPPV の有効性は明らかではなく,積極的に推奨する根拠がない.ただし,市中肺炎患者に対するヘルメットによるCPAP の有効性を検討したランダム化比較試験28)では,CPAP により酸素化の有意な改善がもたらされることが示されており,状況によっては有効と考えられる28) . c.インフルエンザ感染後の重症肺炎に対する NPPV の有効性2009 年の新型インフルエンザ(A(H1N1)pdm09)のパンデミックでは,重症肺炎による死亡例が欧米を中心に多数みられた.NPPV が施行された177 名を対象としたコホート研究では成功率が40.6%で,成功例で入院期間が短縮したことが報告されているa) .同様に急性呼吸不全のためNPPV を開始した12 名のうち5 名(42%)で挿管を回避できたとの報告がある29) .一方,20 施設のICU によるコホート研究では,NPPV を施行された49 例のうち,最終的に46 例(94%)が挿管されており, NPPV は推奨されないと結論されている30) .ただし,挿管が必要になった症例は,APACHE IIスコアやP/F 比が不良であり,NPPV が成功した例の重症度は,他の2 報にある患者背景とほぼ同等であった.このことから,インフルエンザに伴う急性呼吸不全では,軽症例を除いてNPPV は推奨されない. インフルエンザ患者のNPPV 管理にあたっては周囲への伝播が問題になるが,シミュレーターを用いた検討ではマスクから半径0.5〜1m に飛散がみられ,IPAP が高いと拡がりが大きくなる傾向にあった31). 文献1)Ware LB, Matthay MA: The acute respiratory distress syndrome. N Engl J Med 2000; 342: 1334-1349. レベルIV レベルIV レベルII レベルIVレベルIVレベルIIレベルIV レベルII レベルIV レベルV レベルIV