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p.73 抽出テキスト

的バリアントが相次いで明らかとなった.代表的な例として,再分極短縮を介してAF を生じるKCNQ1 の機能獲得型バリアント729)があり,KCNE1/2,KCNH2,さらに心臓Na チャネルをコードするSCN5A 333, 730)などの病的バリアントも家族性AF と関連する.また,サルコメアや細胞骨格などの構造関連遺伝子のバリアントも若年発症AF にて報告されている731-733).一方,60 歳以下・後天的危険因子のない早期発症AF 患者200 人の解析では,確立されたAF 関連遺伝子における病的バリアント検出率は3.0% にとどまり,若年例でも単一遺伝子疾患としてのAF は限定的と考えられる734).

多因子疾患としてのAF の遺伝的背景は,2007 年以降のGWAS により大きく進展した.欧州の大規模GWAS では,心臓発生関連(PITX2,ZFHX3),イオンチャネル関連(KCNN3,HCN4),細胞骨格・接着分子関連など多数の座位が同定され,AF が発生学・電気生理・構造リモデリングといった多層的異常を基盤とすることが示された735).続いて実施された多民族メタ解析では97 座位(67 新規)が同定され,同様に多様な経路にまたがることが確認され

た736).さらに,これらの座位を遺伝子発現や組織特異性データと統合した解析により,心臓発生,電気生理調節,細胞骨格,炎症・免疫応答など複数経路の寄与が体系的に整理され,AF が高度なポリジェニック疾患であることが示された737).わが国ではBioBank Japan を用いたGWAS で31 座位(5 新規)が同定され(図31) 738),東アジア集団に固有の遺伝的背景やポリジェニックスコアの臨床的有用性が示されている738).また,カテーテルアブレーション後再発に関連する座位も報告されており739),臨床応用への可能性が広がりつつある.

4 診断

AF の基本的な診断法は,家族性でも非家族性AF と同じである.ただ若年発症者が多いこともあり,家族性AF

PERM1-HES4 MIR5069 RHBDL2 PALMD MOB1B LIN54 PFDN1-HBEGF HDGFL1-LOC105374972 LOC101928540 LOC101928304-ALDH8A1 CDHR3 EXT1 PAPPA-ASTN2 CCDC7 C10ORF128-C10ORF71-AS1 ZMIZ1 STIM1 SPON1 LOC100129203-FAM76B APOLD1 HCFC2 MVK-FAM222A RPH3A MICU2 KLF12 MYH11 NFATC1 BICRA KIAA1755 SDF2L1 MEI1 PTCHD1 ZIC3-LINC00889

log10 BF

0 1 2 3 4 5 6 7 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 1920 2122 X 8

10 20

30 40

50 New Known

710 720 新規

既報

Log10BF

図31 AF に対する多民族ゲノムワイド関連解析(Manhattan plot)日本人(BioBank Japan)を含む大規模多民族メタ解析(77,690 人)によるAF GWAS の結果.新規座位を赤,既報座位を青で示す.電気生理・発生・構造,さらに炎症・免疫を含む多様な経路の関与が示された. (Miyazawa K et al, 2023

738)より) @Miyazawa K, et al. 2023. CC BY 4.0