p.71 抽出テキスト
条件が提唱され,本ガイドラインでもこれを引き続き記載する. 1 進行性の伝導障害を示す心電図所見:二束ブロックま たはモビッツII 型2 度以上の房室ブロック2 失神などの徐脈による症状またはペースメーカ植込みの 既往歴や家族歴がある3 診断時の年齢が70 歳未満4 診断時の除外項目:器質的心疾患,骨格筋ミオパチー, サルコイドーシス,自己免疫性疾患,動脈硬化性疾患(経過の途中で心筋症や骨格筋ミオパチーを合併した場合でも,徐脈による症状・病態がそれに先だっている,あるいは徐脈の関与が疑われる症例は除外しない) 4.4 検査と鑑別診断 診断時に,器質的心疾患(心筋症・虚血性心疾患・動脈硬化性疾患など)・骨格筋ミオパチーが存在し,それにともなって発症する続発性心臓伝導障害は,広義のPCCDとして分類される. 成人における房室ブロックでは,サルコイドーシス,アミロイドーシス,ファブリー病は鑑別すべき疾患である.前者は通常家族発症はみられない.後二者では,心肥大など他の症候により判別されることも多い.よって,成人例においては,上述の器質的心疾患およびこれらの二次性心筋症除外のための各種検査が推奨される. 一方,新生児の先天性房室ブロックでは,心奇形,心筋炎とともに,母体由来の抗SS-A/Ro・SS-B/La 自己抗体による新生児ループスの鑑別を要する718). PCCD は,加齢にともなうSSS や脚ブロックなどの伝導障害との区別が難しいことがあるが,家族歴や発症年齢により遺伝的関与を疑い,詳細な病歴聴取,家族歴調査(PCCD 以外の合併しうる不整脈疾患・心筋症,突然死を含む)を行うことが重要である.家族歴がある場合には,遺伝学的検査を考慮する.また,すでに血縁者にPCCDの原因となるバリアントが同定されている場合にカスケードスクリーニングを行うことは,未発症者の早期発見の観点から重要である. 5 リスク評価 PCCD は進行性の疾患であり,軽微な伝導障害を示す無症候例であっても,12 誘導心電図,ホルター心電図でのフォローアップにより,伝導障害の進行を早期に発見することが重要である.2 枝ブロックをともなう1 度房室ブロック(3 枝ブロック),症候性の高度房室ブロックは突然死の危険因子となりうる2).LMNA バリアントを有する場合には第12 章ラミン心筋症に沿ってより詳細なリスク評価と,使用するデバイスの選択を行う. 6 治療 進行性の伝導障害に対して,適切なタイミングでデバイス治療を検討する必要がある.2013 年のHRS/EHRA/ APHRS 合同ステートメント2) をもとに,PCCD に対するデバイス治療の適応を推奨表19 に示す.症状がある場合や第3 度房室ブロックではペースメーカ植込みが推奨される(推奨クラスI).第1 度房室ブロックの有無によらず,2枝ブロックであっても,PCCD と診断された時点でペースメーカの植込みを検討してよい(推奨クラスIIa).BrS やLQTS を合併する場合,LMNA バリアントを有する場合には本ガイドラインの各疾患の章に沿ってデバイスの使用を考慮する. 推奨表19 PCCD に対するデバイス治療の適応に関する 推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 間欠性または恒久性の第3 度もしくは高度房室ブロック症例にペースメーカ植込みを行う. I C症候性のモビッツI 型(ウェンケバッハ型)またはII 型第2 度房室ブロック症例にペースメーカ植込みを行う. I C 2 枝ブロック(1 度房室ブロックの有無は問わない)症例にペースメーカ植込みを行うことを考慮する. IIa C