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付けられ674),運動や情動ストレスなどによるカテコラミンレベルの上昇をともなわずにscTdP やVF を発症する点が特徴である.病態として,小胞体Ca2+過負荷誘発性Ca2+遊離(store overload-induced Ca2+: SOICR)の閾値上昇による小胞体からのCa 2+ 放出障害が考えられている. SCN5A のバリアントが同定されたscTdP の報告例もある675). 4 治療 ICD による治療を行う.ICD 治療が困難な場合やICDの頻回作動を認める場合は,キニジンの投与やVF プログラム刺激によって有効であると判断された抗不整脈薬の投与も考慮される2).また,VF のトリガーとなる期外収縮が定まっている場合はカテーテルアブレーションを考慮してよい2).IVF 患者の血縁で,原因不明の失神発作を認めた場合,遺伝カウンセリングを実施のうえ,ICD による治療を考慮してもよい2). 第8章 進行性心臓伝導障害(PCCD) 1 概論 PCCD は,進行性の房室ブロック・脚ブロックを特徴とし,His 束以下の刺激伝導系の変性によって失神や突然死の原因となる遺伝性疾患で,時にペースメーカの植込みが必要となる676, 677).2013 年のHRS/EHRA/APHRS 合同ステートメント2)では,「PCCD は50 歳未満の若年者にみられる構造的に正常な心臓に原因不明の進行性伝導障害をきたした状態で,骨格筋ミオパチーを伴わないもの」とされたが,心筋症・骨格筋ミオパチー合併例の除外に関しては統一された見解はない.このため,「遺伝性不整脈の診療に関するガイドライン(2017 年改訂版)」では心筋症および骨格筋ミオパチー合併例の中で,疾患の初期に伝導障害のみが先行して心筋症やミオパチーの鑑別がつかないものを含めた診断基準を提唱した1).本章では,これを狭義のPCCD あるいは単にPCCD と定義し,先天性心奇形,神経筋疾患/ 骨格筋ミオパチー,蓄積病,ミトコンドリア病などの心外病変・全身疾患をともない続発性に伝導障害を呈する遺伝疾患を広義のPCCD と定義する.以下,狭義のPCCD について概説する. 2 疫学 PCCD の有病率についてはさまざまな報告がみられる. PCCD の定義や年齢,二次的要因(自己免疫性疾患やサルコイドーシス,動脈硬化性疾患など)の除外基準などによって,有病率は異なる. 2.1 一般人における心臓伝導障害の有病率 一般人における伝導障害の有病率は,人種や地域,集団の年齢別人口などさまざまな要素の影響を受ける.1 度房室ブロックの有病率は1 ~数% と幅があり,白人に比べ黒人に多く,男性に多い678).ウェンケバッハ型房室ブロック,モビッツ2 型房室ブロック,完全房室ブロックの有病率は,それぞれ1 ~2%,0.003%,0.02 ~0.04% 程度である678).一部の地域では伝導障害の有病率やペースメーカ植込み率が高いことや679),両親のいずれかが伝導障害を有する場合,あるいは一親等血縁者にペースメーカ患者がいる場合