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第7章 特発性心室細動(IVF) 1 概論・疾患概念 IVF は,心停止あるいはVF が確認され蘇生された患者において,心臓,呼吸器,代謝異常,毒物などの原因が除外されていることを条件とし,BrS やERS のような安静時心電図の特徴がない. IVF と診断するためには,安静時心電図,心エコー図検査,運動負荷検査,薬物負荷検査(エピネフリン,Na チャネル遮断薬),冠動脈造影や心筋生検を含めた心臓カテーテル検査などを実施し,QT 延長症候群,BrS,CPVT などの遺伝性不整脈疾患や何らかの心筋症を除外することが必要である2).突然死の家族歴を聴取することは必要であるが,IVF の診断における遺伝子診断の有用性については明らかではない667). 2 疫学 IVF の有病率は明らかではないが,心停止後生存例の44% が原因不明であったと報告されており668),病院外心停止患者の5% 程度がIVF と考えられている669, 670). 3 遺伝的背景 一部のIVF は家族性に発症するが,その多くは原因遺伝子が明らかになっていない.オランダの突然死家系における連鎖解析の結果,dipeptidyl peptidase-like 6(DPP6)との関連が報告されている671).また,IVF の一亜型で,連結期の極端に短い(<300 ms)PVC がVF のトリガーとなるshort-coupled variants of torsade de pointes(scTdP,図30)の原因の1 つとして,RYR2 の機能喪失型および機能獲得型バリアントが報告されている121, 672, 673).現在,この病態はcalcium release deficiency syndrome(CRDS)と名 図30 short-coupled variants of torsade de pointes(scTdP)の心電図連結期の極端に短いPVC(赤矢印)がVF のトリガーとなっている.