p.59 抽出テキスト
4.4 診断基準 健常者でもQTc <330~340 ms のSQTS 基準を満たすQT 短縮例が存在するため,QTc 短縮所見のみでSQTS の診断は困難である.2022 年版ESC ガイドライン3)を基にしたSQTS の診断基準および推奨を推奨表16 に示す. 5 リスク評価と治療 5.1 リスク評価 SQTS は非常にまれな疾患であり,唯一コンセンサスが得られている心イベントの危険因子は,心停止の既往または自然発生した持続性VT の記録のみである588).無症候例ではEPS や遺伝学的検査を含め,リスク層別化のための有効な手段はない588, 597). 5.2 治療 SQTS の治療方針について,図27,推奨表17 にまとめる. 5.2.1 ICD 心停止や持続性VT の既往を有する症例に対しては,二次予防としてのICD 植込みが推奨される3, 593).一次予防については議論されているところだが,不整脈性失神が疑われる症例や突然死の家族歴を有する症例では初発症状が心停止の場合もあり,ICD 植込みが考慮される588, 593). SQTS 症例に対するICD 治療では,T 波オーバーセンシン SQTS と診断された患者 無症候性有症候性 心停止の既往持続性VT の記録不整脈性失神 VT/VF の再発を繰り返す症例心臓突然死の家族歴 ICD (推奨クラスIIa) ICD (推奨クラスI) ICD 植込み禁忌/ 拒否症例 キニジン(推奨クラスIIb) ICD (推奨クラスIIb) キニジン(推奨クラスIIb) キニジン(推奨クラスIIb) 図27 SQTS に対する治療方針 推奨表16 SQTS の診断に関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル QTc ≦360 ms で,以下のいずれかを満たす場合にSQTS と診断する. 1 SQTS の原因となる病的バリアントが同定されている場合2 SQTS の家族歴がある場合3 他の心疾患がなく,VT/VF からの蘇生 後である場合I C QTc ≦320 ms の場合,SQTS の診断を考慮する. IIa C 320 ≦QTc ≦360 ms で不整脈性失神を有する場合,SQTS の診断を考慮する. IIa C 320 ≦QTc ≦360 ms で40 歳未満での突然死の家族歴を有する場合,SQTS の診断を考慮してもよい. IIb C