p.56 抽出テキスト
動制限や内服が遵守できない患者でも心イベント抑制効果が期待でき,LCSD が適応となる可能性がある.わが国における保険適用は手掌多汗症に限定されているが,CPVT患者への実施報告もある576, 577).LCSD の効果は症例によって異なり,左側のみで劇的に改善する症例や,左のみでは効果不十分で両側の神経節切除で効果が得られる症例もある.眼瞼下垂,無汗症,神経痛などの合併症がみられるが,その程度は軽度である578).LCSD のわが国におけるCPVT に対する保険適用がまたれる. 6.3.3 カテーテルアブレーション CPVT の心室不整脈に対し,トリガーとなるPVC に対するアブレーション治療によって,心室不整脈が抑制されたとの報告はあるが579, 580),長期予後は不明であり,今後の検証が必要である. 7 小児における特徴, リアルワールドにおける課題 症候性CPVT 患者の初発症状出現年齢のピークは10 代前半であり562),突然死予防には小児期から長期にわたる服薬が必要となる.治療開始後の心イベント発生に関与する服用量の適正性と服薬不遵守は重要な課題である. 成長期の小児患者は体重増加に応じた薬剤増量が必要である.CPVT 患者の国際共同研究の大規模コホートでは,薬物の副作用は20.6% にみられた562).β遮断薬の副作用には倦怠感,起立性低血圧,うつ状態,低血糖(とくに幼少患者)などがある.CPVT は洞結節機能不全を合併する場合があり,β遮断薬投与時の症候性徐脈の出現にも注意する.薬物副作用は服薬不遵守の一因となるため十分に注意する必要がある. 服薬不遵守は一般には思春期患者にリスクがある.国際共同研究の大規模コホートでは,服薬不遵守は15% にみられ,女性・フレカイニド単剤治療・長期投与への患者の不安が危険因子であった575).服薬回数の軽減はアドヒアランス向上に寄与するため,長時間作用型薬剤も検討する.発育発達に応じた若年患者自身への患者教育と心理的サポートも重要である.RYR2 の病的バリアントを保持する患者においては知的障害やその他の神経発達障害の合併も報告されており,薬物自己管理を開始する年齢ではとくに注意を要する541).安定期の患者であっても,外来では服用状況の問診やフレカイニドの血中濃度測定を定期的に行い,服薬不遵守の早期発見に努める. ICD に関する小児の問題点については別項(6.3.1)を参照されたい. 推奨表14 CPVT に対するICD 植込みの推奨と エビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 心停止既往のあるCPVT に対し,β遮断薬およびフレカイニド内服のうえでICD植込みを行う. I C β遮断薬とフレカイニドを最高用量投与しても不整脈性失神を生じるCPVT に対し,ICD 植込みを考慮する. IIa C β遮断薬とフレカイニドを最高用量投与しても二方向性/ 多形性VT を生じるCPVT に対し,ICD 植込みを考慮してもよい. IIb C無症候性CPVT に対し,ICD 植込みを行うべきではない. III Harm C CPVT におけるVT に対し,抗頻拍ペーシングは行うべきではない. III Harm C