p.51 抽出テキスト
式でCPVT の原因となるため,血族結婚の多い地域から報告された531, 532).ただ,わが国でもTECRL の複合ヘテロ接合体で発症した報告がある537). 推奨表11 にCPVT の遺伝学的検査に関する推奨とエビデンスレベルを示す. 4 診断 4.1 臨床症状 CPVT は運動や興奮を契機としたVT/VF によって生じる失神・心停止を主徴とする74).無症状ながら検診などでPVC を指摘され,運動負荷やホルター心電図で二方向性・多形性VT を認め診断に至ることもある.洞徐脈や上室性不整脈を合併することも多く,乳幼児期にSSS や上室頻拍と診断され,経過中にCPVT の症状を呈することもある512, 538-540).上室頻拍にともなう動悸を訴えることもある.発達障害を合併していることもあり,そのフォロー中にCPVT にともなう失神や心停止を発症することがある541). 4.2 心電図診断 安静時心電図は正常のことが多い.洞徐脈は20% の症例に,AF やSSS などの上室性不整脈は16 ~26% の症例に認められる512).また,一部の患者では顕著なU 波が観察される542).ホルター心電図は,運動負荷試験が実施困難な幼児例や蘇生後例などにおいて,日常生活上での不整脈検出に有用である.CPVT による失神が疑われるものの,負荷試験などで診断に至らない場合には,ILR の使用も検討される124). 4.3 負荷試験 運動負荷試験はCPVT の診断に用いられる主要な診断法である.運動により心拍数100 ~130 bpm になるとPVC が単発で出現し,心拍数増加にともなってPVC は増加し,さらに続けると二方向性VT や多形性VT となる543) (図21).負荷終了後,心拍数の減少とともにPVC は消失する.PVC は左脚ブロック+下方軸(47%)または右脚ブロック+ 上方軸(29%)が多い516, 544).通常の運動負荷試験では診断可能な心室不整脈が記録できないこともあるため516, 545),急激に負荷を上げる運動負荷プロトコールの有用性も報告されている546).また運動負荷試験は,安静時にもPVC が頻発するATS との鑑別にも有用である544). エピネフリン負荷試験は,特異度は高いものの(98%),感度は低いため(28%) 547),運動負荷試験が実施困難な症例には実施を検討してもよい3). 4.4 診断基準 CPVT は,2013 年のHRS/EHRA/APHRS 合同ステートメントの診断基準にもとづき診断される(表11) 2). 4.5 鑑別診断 CPVT との鑑別を要する疾患として,てんかん,冠動脈起始異常,LQTS などがあげられる. CPVT による不整脈性失神がてんかんと診断されている症例は多いが548),CPVT 症例にてんかんを合併することもある541).てんかんと診断されている症例からCPVT を見逃さないためには,脳波を記録するとともに,運動負荷 推奨表11 CPVT における遺伝学的検査の推奨と エビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル CPVT の診断基準を満たす症例に対し,確立された原因遺伝子(RYR2,CASQ2, CALM1-3,TRDN,TECRL)の遺伝学的検査を行う. I C CPVT の原因となるバリアントが同定された症例の家族と血縁者に対し,当該バリアントを対象とした遺伝学的検査を行う. I C表11 CPVT の診断 1 40 歳未満で,器質的心疾患を認めず,安静時心電図が正常な症例において,他に原因のない運動またはカテコラミン刺激により,二方向性VT または多形性PVC/VT が認められるもの. 2 CPVT の原因となる病的バリアントを有する症例(発端者または家族). 3器質的心疾患を認めず,運動により誘発されるPVC または二方向性/ 多形性VT を呈するCPVT 発端者の家族. 4 40 歳以上で,器質的心疾患および冠動脈疾患を認めず,安静時心電図が正常な症例において,他に原因のない運動またはカテコラミン刺激により,二方向性VT または多形性PVC/VT が認められるもの. 1, 2, 3 は確定,4 は疑い(Priori SG, et al. 2013 2)より) © 2013 Heart Rhythm Society. with permission from Elsevier.