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p.50 抽出テキスト

潜性(劣性)遺伝形式のいずれかで発症し74),新規突然変異の割合も高い521).表10 113, 115, 525-532)にCPVT の原因遺伝子をまとめる.CPVT の約60% に原因となる病的バリアントが同定され,そのうちRyR2 をコードするRYR2 がもっとも多い2, 74).

RyR2 は筋小胞体(SR)の膜上にあり,L タイプCa チャネルからのCa2+ 流入を契機として,SR からCa2+ を放出する役割を担っている533)(図22).CPVT に同定されるRYR2 の病的バリアントは機能獲得型であり,過剰なSRからのCa2+ 放出を原因として遅延後脱分極を生じ,心室不整脈を引き起こす533).RYR2 の病的バリアントは新規突然変異が多いものの,両親のいずれかのモザイク変異によって子供が発症している場合があり534),同胞の再発には注意を要する.また家族性に発症する場合は母親がバリアントを保持していることが多いが,母親はCPVT の症状を呈していないこともある534).RYR2 にはCPVT の病的バ

リアントが多く同定される領域(hot spot)があり535),チャネル領域を含むC 端のバリアントを保持しているとVT のリスクが高いとする報告がある518).

CASQ2 は常染色体潜性(劣性)遺伝形式をとるCPVTの原因遺伝子として報告された527).その後,常染色体顕性(優性)遺伝形式をとるCPVT も報告されているが528),常染色体顕性(優性)遺伝形式によるCPVT のエビデンスは,常染色体潜性(劣性)遺伝形式と比べ限定的とされている536).

カルモジュリンをコードするCALM1,CALM2,CALM3は,LQTS に加えCPVT の原因となる46, 47).CPVT の原因となる変異はRyR2 への結合が強く,SR からのCa2+ 放出を促進する529).

TECRL とTRDN の変異は常染色体潜性(劣性)遺伝形

表10 CPVT の原因遺伝子

遺伝子遺伝形式機能変化保有率(%)文献RYR2 AD SR 上にあるRyR2 からの過剰なCa 2+放出60 ~70 525, 526 CASQ2 AR/AD RyR2 不安定化によるSR からの過剰なCa 2+放出5 527, 528 CALM1 AD

変異カルモジュリンによるRyR2 への結合能上昇にともなうRyR2 からの過剰なCa

2+放出<1 113

CALM2 AD <1 115, 529 CALM3 AD <1 530 TECRL AR脂質代謝系の異常によるCa 2+動態の変化<1 531 TRDN AR発現低下にともなうCa 2+動態の変化<1 532 AD:autosomal dominant[常染色体顕性(優性)],AR:autosomal recessive[常染色体潜性(劣性)],SR:sarcoplasmic reticulum(筋小胞体) (文献113, 115, 525-532 を参考に作成)

図22 心筋リアノジン受容体(RyR2)模式図L タイプCa チャネル(LTCC)からCa イオン(Ca

2+)が細胞内に流入すると,筋小胞体(SR)膜上にあるRyR2 から大量のCa

2+が放出される. LTCC筋小胞体

Triadin

Junctin

CaM

RyR2 Casq2

Casq2

Casq2細胞膜

細胞質

T 管

Ca 2+