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p.45 抽出テキスト

が抑制できるエビデンスはないが,二次予防でICD 植込み後適切作動を認める症例,無症候であるが不整脈リスクを有する症例には期待できる474).キニジンの副作用は用量に関連し,下痢,血小板減少,貧血,発熱,ループス反応,神経学的影響,催不整脈作用(VT・徐脈性不整脈)などがある470).低用量キニジン(硫酸キニジンとして200~300 mg で開始,最大600 mg/ 日程度まで) 470, 475)の使用でも,副作用を回避しつつ,抗不整脈効果が得られることが報告されている.SCN5A バリアント陽性でQT 延長を合併101)した例ではキニジンの使用は避けた方がよいと考えられる.同じIa 群のジソピラミドも有効との報告があるが476),エビデンスは少ない.不整脈リスクが高いと判断される無症候例での予防投薬は,夕・眠前などで開始する. b. ベプリジル

クラスIV 薬に分類され,Ca チャネル拮抗薬であるが, Ito 電流を抑制し,Na 電流を増強し,発作が予防される477).海外では使用不可能で,わが国での少数例の報告がみられる478-480). c. シロスタゾールまたはミルリノン(保険適用外)

PDEIII 阻害薬はICaL を増加させることで心拍数が増加し,Ito 電流を減少させる481).シロスタゾールは通常200 mg /日の投与で発作が抑制されると報告されている482).

6.2.2 急性期治療(VF ストーム時)

a. イソプロテレノール

イソプロテレノールのおもな抗不整脈作用は,ICaL の増加である413).BrS のVF 頻回発生・ストーム例では,イソプロテレノールの静脈内持続投与が推奨される348, 413, 483, 484).

初回のVF 蘇生例での使用においては,虚血性心疾患の鑑別が必要である.またJ 波症候群のVF ストーム症例で,シロスタゾールとベプリジルとの併用が有効であったと報告されているが485),現状では,ベプリジルはわが国でしか使用できない.

6.3 植込みデバイス(ICD,ILR) (推奨表9)

BrS 患者の突然死予防に有効であることが証明されている唯一の治療法はICD 植込みである486).タイプ1 心電図に加えて,心肺停止・蘇生歴あるいはVF の既往を有する例はICD 植込みの推奨クラスIの適応である.VF の既往がない例についてはタイプ1 心電図を有し487),不整脈性失神あるいは夜間の苦悶様呼吸を有する例では推奨クラスIIa,原因不明の失神を有する例では,2 連心室期外刺激以下でVF が誘発される場合は推奨クラスIIa とした.無症候例では1無症候で若年・濃厚な突然死家族歴かつSCN5A 病的バリアントを認める例で,EPS にて2 連心室

期外刺激以下でVF が誘発される場合は推奨クラスIIa, 2無症候で若年・濃厚な突然死家族歴を認めるもののSCN5A 病的バリアントを認めない,もしくは遺伝学的検査未実施でEPS にて2 連心室期外刺激以下でVF が誘発される場合は推奨クラスIIb,3若年・濃厚な家族歴がない無症候例では自然発生タイプ1 心電図を有し,考慮すべきその他の臨床所見(年齢,性別),心電図所見(QRS 棘波, J 波など)を複数有する場合には,EPS にて2 連心室期外

推奨表9  BrS に対するICD・ILR 適応の推奨と

エビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

タイプ1 心電図に加えてVF 既往または心肺停止蘇生歴を有する症例に対し, ICD 植込みを行う. I Bタイプ1 心電図で不整脈性失神または夜間の苦悶様呼吸を有する症例に対し, ICD 植込みを考慮する. IIa Cタイプ1 心電図と原因不明の失神があり, 2 連心室期外刺激以下のプログラム心室刺激でVF が誘発される症例に対し,ICD植込みを考慮する. IIa Cタイプ1 心電図と原因不明の失神がある症例において,失神の原因検索目的でのILR 植込みを考慮する. IIa C自然タイプ1 波形を有する無症候例で,若年・濃厚な突然死家族歴

*かつSCN5A病的バリアントを有し,EPS の2 連心室期外刺激以下でVF が誘発される症例に対し,ICD 植込みを考慮する. IIa B自然タイプ1 波形を有する無症候例で,若年・濃厚な突然死家族歴

*があり, SCN5A 病的バリアントがない,もしくは未検査で,EPS の2 連心室期外刺激以下でVF が誘発される症例に対し,ICD植込みを考慮してもよい. IIb B自然タイプ1 波形を有する無症候例で,考慮すべき臨床所見(年齢,性別),心電図異常所見(QRS 棘波,J 波など)を複数有し,EPS の2 連心室期外刺激以下でVF が誘発される症例に対し,ICD 植込みを考慮してもよい. IIb C 12 ヵ月以上の余命が期待できない場合は,ICD,ILR いずれも植込みを行うべきではない. III Harm C精神障害などで治療に際し患者の同意や協力が得られない場合はICD,ILR いずれも植込みを行うべきではない. III Harm C *若年者(≦40 歳)かつ,1二親等以内の突然死,または2親族内の複数の突然死(突然死:BrS でICD 適応となるものを含む).