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p.44 抽出テキスト

では,10 歳以前ではBrS と診断される例の半数が女性であるが,それ以後は男性のみであり,また女性で思春期以後に致死的イベントを発症する例はいなかった452).小児では発熱が発作の誘因となることが多い437).また, SCN5A バリアント保持者では心室中隔欠損症の合併が報告されており,心エコー図検査も必要である456).・危険因子:自然タイプ1 波形,伝導障害(房室ブロック,

心室内伝導障害,I 誘導S 波),有症候性(失神,心停止既往),洞不全,心房不整脈,SCN5A 病的バリアント,発端者229, 380, 385, 401, 457-459)

6 治療

6.1 生活指導

BrSと診断されたすべての患者に生活指導は重要である.日常生活においてとくに注意すべき点を以下に示す460). 1 発熱に対する迅速な解熱治療302, 461, 462).また,体温上

昇をきたす長時間・高温の入浴は避けるべきである463). 2 ブルガダ型心電図変化を誘発あるいは増悪させる可能

性のある薬剤464)の回避465, 466)(付表4 参照).付表4 には抗不整脈薬(とくにNa チャネル遮断薬),向精神薬,麻酔薬/ 鎮痛薬などが含まれており,それらの薬剤を把握しておくことが重要で,β遮断薬,抗ヒスタミン薬なども注意が必要である. 3 アルコールの過剰摂取を避ける462) 4 低K+血症,高K+血症,代謝性アシドーシスなどの代

謝障害は,BrS の心電図変化を明らかにすることが報告されており467, 468),代謝障害に迅速に対応することが推奨される.患者には常に血清K+値を正常範囲内に維持することを促す. 5 家族には適切な心肺蘇生が行えるよう講習会への参加

を促す. 6.2 薬物治療(表9,推奨表8)

6.2.1 慢性期治療

a. キニジン

クラスIa 薬に分類され,Na 電流遮断により活動電位の第0 相を延長するが469),Ito を阻害し,活動電位の第2 相中にICaL 電流を阻害することが示されている470).BrS においては,キニジンの抗不整脈効果の中で,Ito の阻害がもっとも重要であると考えられている471, 472).QUIDAM 試験473)では,プラセボに対する有効性は示されなかったが,ハイドロキニジン治療を受けた患者には致死性不整脈イベントは認めなかった.一次予防で完全に致死性不整脈イベント

表9 BrS に対する薬物治療

薬剤名薬物分類用量投与経路適応イソプロテレノールβ刺激薬1 ~2μg をボーラス投与後0.15 μg / 分または0.003 ~0.006 μg /kg/ 分静脈VF ストームキニジンIa 群抗不整脈薬200 ~600 mg/ 日経口ICD 適切作動,高リスク症例の1 次予防VF ストームベプリジルIV 群抗不整脈薬100 ~200 mg/ 日経口ICD 適切作動シロスタゾールPDEIII 阻害薬100 ~200 mg/ 日経口ICD 適切作動

推奨表8  BrS に対する生活指導と薬物療法の推奨と

エビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

生活指導ブルガダ心電図変化を誘発または増悪させる可能性のある薬剤を回避する. I A発熱に対し,迅速な解熱治療を行う. I A

アルコールの過剰摂取を避ける. I B薬物療法VF ストームに対し,イソプロテレノールの静脈内投与を考慮する. IIa B VF ストームの抑制およびICD 適切作動症例に対し,キニジンの投与を考慮する. IIa B高リスクと判定された無症候BrS に対し,キニジンの投与を考慮してもよい. IIb B頻回のICD 適切作動に対し,ベプリジルまたはシロスタゾールの使用を考慮してもよい. IIb B