p.42 抽出テキスト
403, 404, 404a)・高リスクバリアント領域:ポア領域,膜貫通領域,細胞 外ループ240, 405, 406) 5.1.4 心電図指標 下記のごとく,さまざまな危険因子が報告されている.自然発生タイプ1 波形以外は確立したものはなく,参考所見として,複数の異常がある場合はリスクが高いと判定する. a. 再分極異常指標・ 自然発生タイプ1 型波形(高位肋間記録を含む) 8, 265, 267- 269, 301, 407)・ 四肢誘導でのタイプ1 波形383, 388, 408)・ ST 上昇自然変動≧1 mm 297, 369, 409)・ T 波交代現象310, 410, 411)・ 下側壁誘導早期再分極264, 272, 284, 376, 378, 412-414)・ 水平・下行型ST 部分272)・ T 波頂点-T 波終末部間隔(TpTe)≧100 ms,TpTe/QT ≧0.205,TpTe ばらつき284, 290, 379, 383, 415-417)・ QTc 延長(V2 QTc ≧420 ms) 272)・ V1 タイプ1 波形低電位417a) b. 脱分極異常指標・PQ 延長(170 ~200 ms 以上),高度房室ブロック418-421)・QRS 幅,RJ 間隔延長(QRS ≧120/110 ms/90 ms,RJ ≧80 ms/90 ms) 379, 422-424)・QRS 異常:aVR(R 波≧0.3 mV またはR/q ≧0.75),I 誘 導(S 波:幅≧0.04 秒または深さ異常0.1 mV) 280, 283, 425)・完全右脚ブロック284, 427, 428)・QRS 棘波273, 290, 370, 371, 378)(V1 ~V3 誘導のいずれかで陽 性R 波が4 以上370, 376),ないし3 誘導の陽性R 波の合計が8 以上.四肢・側壁誘導では陽性R 波が3 以上の誘導が2 誘導以上連続する) 371) c. 上室不整脈・AF 248, 272, 279, 284, 380, 385, 387, 429)ないし洞不全277)の存在d. 負荷試験 運動負荷試験,摂食・満腹430, 431),Na チャネル遮断薬負荷試験が報告されている.Na チャネル遮断薬負荷試験は,非タイプ1 波形でのBrS 診断のために用いられるが,予後予測因子となる可能性はある.以下のものが心イベントとの関連が報告されている.・運動負荷:回復期ST 上昇出現・増強303),PVC 発生313)・Na チャネル遮断薬負荷試験:負荷後ST 上昇(≧+0.3 mV),心室不整脈の発生250, 285),四肢誘導におけるタイプ1 波形出現383, 388, 408) e. 加算平均心電図 ・加算平均心電図での遅延電位陽性369, 374, 432-434) 5.1.5 発熱・高体温 発熱時にブルガダ波形が出現・増悪し,まれにVF をきたす302, 435).発熱誘発性タイプ1 のVF 発症率は0.9% /年とされる302).発熱は男性では全年齢でリスクとなるが,女性では未成年,高齢者でリスクが高い436).とくに小児ではVF 発生の高リスクとなる401, 437, 438). 5.2 症候別のリスク評価(図17) 5.2.1 無症候例 国内外の研究で,比較的エビデンスが多い因子としては,若年・濃厚な突然死家族歴,自然タイプ1 波形,早期再分極,TpTe 延長,QRS 延長,QRS 棘波,SCN5A バリアントがあげられる244-246, 277, 278, 290, 439).長期経過観察中のQRS延長,QRS 棘波増加,TpTe 間隔延長,自然タイプ1 波形持続は注意を要する.自然タイプ1 波形を有する症例において,若年(40 歳以下)・濃厚な突然死家族歴,またはSCN5A バリアントを認める場合,心臓電気生理検査(EPS)を考慮する.また,家族歴,SCN5A バリアントを認めなくても,早期細分極(ER),TpTe 延長,QRS 延長,QRS 棘波などの心電図異常を複数認める場合も,EPS を考慮してもよい440). 5.2.2 失神例 不整脈性失神はVF のリスクが高い(HR 6.3 ~14.9)が287, 288, 293, 374, 375, 388, 441-444),致死的イベント前に失神症状があるものは20% にすぎない445).反射性失神,起立性低血圧,てんかんなどの鑑別が必要であり,詳細な失神前後の症状・状況の聴取が重要である441-443).反射性失神は予後が良好なため,無症候性と同等に扱う441-443, 446).てんかんは睡眠中の発作やけいれんをともなうため,鑑別が困難な場合もある447).不整脈性失神では特定の前駆症状や状況がないことが多く441-443),前兆があっても10 秒未満,特定状況がなく,失神後1 分以内にすみやかに回復するものは非不整脈性失神の可能性は低いとされる442).反射性失神と不整脈性失神の鑑別が困難な場合や,失神時の状況が不明の場合は,原因不明の失神として扱う.失神例を対象としたILR を用いた報告では,不整脈性失神の原因として徐脈性不整脈や上室性不整脈がまれならず認められるため229-232),原因が明らかな場合はそれぞれの不整脈に対して治療を行う.