p.39 抽出テキスト
することは推奨されず,コブド型が認められた発端者に限って実施し,病的バリアントが同定された場合には,家族に対する遺伝学的検査(カスケードスクリーニング)により家族の疾患リスク評価を行うことができる315, 316)(注: BrS に対するSCN5A の遺伝学的検査は2026 年3 月現在保険適用外). 3.3 鑑別診断 コブド型ST 上昇波形は種々の要因によって引き起こされ,Brugada phenocopy とよばれる(表8).Brugada phenocopy と真のBrS の境界は明瞭なものではなく317),また心電図のみで鑑別することは困難である318).Brugada phenocopy を別疾患として扱うべきか,誘発試験のように意義があるものと考えるかは明らかではなく,慎重な経過観察を要する319). 他の不整脈(AF など)に対してI群抗不整脈薬を内服後にタイプ1 波形が出現した場合は,すみやかに当該薬剤を休薬し,薬剤誘発性タイプ1 波形として症状の確認やリスク評価を行う. 図15 Na チャネル遮断薬負荷試験によるブルガダ心電図の出現A:通常肋間,B:1 肋間上ピルジカイニド投与により,通常肋間ではV1,1 肋間上ではV1 ~V2 誘導でコブド型波形が出現する. A B 負荷前負荷後負荷前負荷後V1 V2 V3 V1 V2 V3 表8 Brugada phenocopy を呈する病態 非定型右脚ブロック左脚ブロック左室肥大早期再分極(とくに運動選手)急性心筋虚血(とくに右室流出路を灌流する円錐枝・右室枝の 閉塞)冠攣縮性狭心症急性大動脈解離急性心膜炎・心筋炎急性肺塞栓症不整脈原性右室心筋症筋強直性ジストロフィーデュシェンヌ型筋ジストロフィーフリードリヒ失調症球脊髄性筋萎縮症中枢神経障害低体温除細動後電解質異常(高K +血症,低K +血症,低Na +血症,高Ca 2+血 症)右室流出路の機械的圧迫(腫瘍,漏斗胸など)