GL検索 v0.1.0
画像は 28 ページを描画したものです
page 28

p.28 抽出テキスト

が示されているのは非選択性β遮断薬のみである175).以上から,LQT1 とLQT2 患者では,第一選択薬としてナドロール(またはプロプラノロール)が推奨される124, 178)(推奨表3,図9).ナドロール,プロプラノロールの維持量はともに体重換算で1 mg/kg が推奨されるが,β遮断薬の忍容性は個人差が大きく,投薬開始時は維持量の1/2 ~1/4程度から始め,漸増することが望ましい(とくにナドロールの場合).

LQT2 女性患者では,産褥期に心イベントが多く,産褥期のβ遮断薬内服は心イベントを抑制することから94),妊娠中~産褥期にも内服が推奨される93, 179)(第14 章参照). b. Na チャネル遮断薬(メキシレチン)

LQT3 はSCN5A の機能獲得型バリアントによる遅延性INa の増大が原因のため,遅延性INa 遮断薬であるメキシレチンはQTc を有意に短縮し180),心イベントを抑制する181, 182).また,メキシレチンはLQT2 に対してもQTc短縮効果と心イベント抑制効果があることが示され,β遮断薬単独では心イベント抑制が不十分な重症例への有効性

表6 先天性LQTS 患者の運動または競技スポーツ参加の目安

症状の有無遺伝型適切な予防的治療心イベント再発運動強度

低中高競技スポーツ

有症状LQT1,または非LQT1 で運動時心イベントあり,または未検査

*1

必須あり△ △ × ×

なし○ ○ △ ×

非LQT1 で運動時以外で心イベントありあり○ ○ △ △~× *2

なし○ ○ ○ △

無症状LQT1 または未検査*1なしなし○ △ △ ×

あり○ ○ ○ △~× *2

非LQT1なし○ ○ ○ △

あり○ ○ ○ ○

運動強度*3学校生活管理指導表の運動強度低<3 METs息がはずまない程度の運動(ウォーキング,ストレッチなど)軽い運動C・D・E は可中3 ~6 METs息がはずむが,息苦しくなく,会話が可能な程度の運動(野球,ゴルフなど)中等度の運動D・E は可高>6 METs息がはずみ,息苦しさを感じ,会話が困難な程度の運動(サッカー,バスケットボールなど)強い運動E のみ可・ 本表の適応には,本人(保護者)- 医療者間でのshared decision making(本文参照)が形成されていることを前提とする.・ 高強度・競技レベルの運動参加については,競技による心事故のリスクやAED の準備も含め,患者とその家族,競技指導者などと十分な協議をして参加の可否を決め,予防措置やより安全な環境を整え,LQTS の診療経験が豊富な医師と相談のうえ,決定すること. ○:許可,△:禁止が望ましい(ただし,本人または保護者の強い希望があれば許可も考慮),×:禁止*1 遺伝学的検査未実施の場合,LQT1 に準じる.有症状LQTS で適切な予防的治療を実施していない症例は本表の対象外*2 水泳や登山など,発作時に救命措置が困難な競技は禁止*3 METs(metabolic equivalents)は代謝強度を示す生理学的指標であり,学校生活管理指導表の運動区分は学校生活上の安全管理を目的とし

た管理区分である.両者は定義が異なるため,本対比は概念的な目安を示すものであり,厳密な対応関係ではない.また運動強度については,成人と小児でMETs は異なる.

推奨表4  先天性LQTS に対するβ遮断薬以外の薬剤の

推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

VF/CPA または失神既往のLQT3 に対し,メキシレチン単独または追加治療を行う. I C QTc ≧500 ms のLQT3 に対し,メキシレチン単独または追加治療を行う. I C QTc <500 ms のLQT3 に対し,メキシレチン単独または追加治療を考慮する. IIa C LQT2 に対し,メキシレチン単独または追加治療を考慮する. IIa C LQT7 に対し,フレカイニド単独または追加治療を考慮する. IIa C低K +血症例(K

+<4.0 mEq/L)に対し, K 製剤の追加治療を考慮する. IIa C重症例またはLQT8 に対し,Ca 拮抗薬(ベラパミル)の追加治療を考慮してもよい. IIb C