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p.22 抽出テキスト

5.2 診断方法

LQTS の診断は,臨床所見すなわち12 誘導心電図によるQT 延長の確認が基本である.さらに運動負荷心電図,臨床症状(失神の有無),家族歴(確実なLQTS,若年の突然死),遺伝学的検査を考慮して診断をすすめる(推奨表2,図6).医療機関での心電図評価は,薬物や電解質異常による二次性QT 延長の要因(後述)を除外したうえで実施する.また,JLNS で認められる感音性難聴,ATS に特徴的な顔貌や低身長,周期性四肢麻痺の有無の確認,TS でみられる多合指症の有無を確認する.

なおわが国では小中高の学校心臓検診にて心電図を記録され,それを機にLQTS と診断あるいは疑われる例が多い.この点については「2025 年JCS/JSPCCS ガイドラインフォーカスアップデート版学校心臓検診」126)を参照されたい. 5.2.1 安静時12 誘導心電図

QT 間隔の計測はT 波終末の決定に大きく左右される.原則としてV5 またはII 誘導で,用手的に接線法を用いて計測することが推奨されている(図6).Bazett 法による心拍補正されたQTc の値で診断する127, 128).用手法による接線法では検者間格差が問題となる一方,域値法や微分法を基にした自動計測では,接線法に比べてQT 間隔は長く計測される傾向がある129).とくにスクリーニング目的で自動計測されたQT 間隔は,接線法による再計測が必須である(「2025 年JCS/JSPCCS ガイドラインフォーカスアップデート版学校心臓検診」126)を参照).小児では年代でのQTc の変化も大きく,もっとも長いQTc がその予後と関連するため130),定期的に心電図評価を行うことが望ましい.

QT 間隔以外に,T 波形に注目するとLQTS 遺伝型により特徴的な波形を呈することが知られており,LQT1 では幅広い(broad-based)T 波,LQT2 ではノッチをともなう平低(low-amplitude, notched)T 波,LQT3 では長い等電位のST 部分とT 波のピークが後ろにある遅発性(lateappearing T)T 波が特徴的で,診断の参考となる(図5).

表4 LQTS スコア(Schwartz スコア)

基準項目点数

心電図所見QT 間隔の延長(QTc) *1 ≧480 ms 3

460 ~479 ms 2 450 ~459 ms(男性) 1

運動負荷後4 分のQTc ≧480 ms 1 TdP *2 2視覚可能なT 波オルタナンス1 Notched T 波(3 誘導以上) 1年齢不相応の徐脈*3 0.5

臨床症状失神*2ストレス時2

非ストレス時1

先天性難聴0.5

家族歴*4確実な先天性LQTS *5 の家族歴1

30 歳未満での突然死の家族歴0.5

点数の合計により,≧3.5 点:診断確実,1.5 ~3 点:疑診,≦1 点:可能性が低い,に分類される. *1 治療前あるいはQT 延長を引き起こす因子がない状態で記録し,Bazett の補正式を用

いてQTc を算出する*2 TdP と失神が両方ある場合は計2 点*3 各年齢の安静時心拍数の2 パーセンタイル値を下回る場合*4 両方ある場合は計1 点*5 LQTS スコア≧3.5 の家族歴(Schwartz PJ, et al. 2011

125)より) © 2011 American Heart Association, Inc.