p.55 抽出テキスト
適応を有しておらず,高用量投与や併用療法に関して標準的といえる方法が定まっていない.現時点ではバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の場合や,他剤が無効な場合のサルベージ的な使用にとどまる425).VREではリネゾリドまたはダプトマイシンを選択し,アンピシリンやゲンタマイシンの併用を考慮する.なお,標準治療を行っても1年以内の再発率は10%と高い413).外科的治療は,手術適応があっても実際に実施されるの は半数程度とされる414).年齢,基礎疾患,フレイルなど複数の要因があり,手術に伴うリスクが高いことが理由である414). 推奨表10 腸球菌による自己弁感染性心内膜炎の標的治療における抗菌薬の推奨とエビデンスレベル 抗菌薬投与量期間(週)推奨クラスエビデンス レベル備 考 ペニシリン感性腸球菌 アンピシリン1回 2 gを1日4~6回/日4~6 I B ゲンタマイシンに高度耐性でない場合に使用する.ゲンタマイシンは 1日1回投与でよい. 2週間投与については本文参照+ゲンタマイシン † +1回2~3 mg/kg 1日1回a 4(2)~ 6 アンピシリン1回 2 gを1日4~6回/日4~6 I B 高齢者,腎機能低下例で優先的に使用する.ゲンタマイシン高度耐性株の場合は,こちらが第一選択となる+セフトリアキソン+1回2 g 1日1~2回4~6 バンコマイシン†初回負荷投与b 25~30 mg/kg維持投与量b 15~20 mg/kg 1日2回4~6 IIa B β-ラクタム系薬にアレルギーの場合ペニシリン耐性腸球菌 バンコマイシン†初回負荷投与b 25~30 mg/kg維持投与量b 15~20 mg/kg 1日2回4~6 I B ダプトマイシン† 1回10~12 mg/kg 1日1回4~6 IIb Bバンコマイシンにアレルギーの場合バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対して使用することがある(推奨クラスIIb,エビデンスレベルC).使用については併用薬を含めて感染症専門医へのコンサルトを推奨する リネゾリド† 1回600 mg 1日2回4~6 IIb Cバンコマイシン,ダプトマイシンにアレルギーの場合バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対して使用することがある(推奨クラスIIb,エビデンスレベルC).使用については併用薬を含めて感染症専門医へのコンサルトを推奨するa, b:投与設計,TDMについては本文およびAppendix表2を参照†保険適用外