p.52 抽出テキスト
ンは,MSSAが非ペニシリナーゼ産生株であれば使用可能であるが,ペニシリナーゼ産生能の有無を調べる必要がある.すべての施設で実施可能ではないため,本ガイドラインでは使用を推奨しない. 上記の事情を加味し,MSSAによるIEに対しての第一選択薬としてセファゾリンを推奨する.MSSAによるIEに 対して,セファゾリンまたはcloxacillinを投与したコホート研究392)によれば,2つの薬剤間で1年間の死亡率・再燃率に有意差はなく,また,薬剤の有害事象(主に腎機能障害)についてはセファゾリン投与群で有意に少ない結果で 推奨表9ブドウ球菌による人工弁感染性心内膜炎の標的治療における抗菌薬の推奨とエビデンスレベル 抗菌薬投与量期間(週)推奨クラスエビデンス レベル備考 1)メチシリン感性ブドウ球菌(黄色ブドウ球菌,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌)コアグラーゼ陰性ブドウ球菌の多くはメチシリン耐性であるため,感受性が判明するまではメチシリン耐性ブドウ球菌に準じて治療を行う.セファゾリン1回2 g 1日3回6~8 I B 髄膜炎・脳膿瘍合併例では他剤を検討(本文参照)a ±ゲンタマイシン †b 1回2~3 mg/kg 1日 1回b 2 ダプトマイシン† ±β-ラクタム系薬など1回8~10 mg/kg 1日1回6~8 IIa B β-ラクタム系薬にアレルギーの場合併用療法に関しては本文参照 バンコマイシン † orテイコプラニン †初回負荷投与b 25~30 mg/kg維持投与量b 15~20 mg/kg 1日2回 1日目・2日目:12 mg/kg 2回c 3 日目:12 mg/kg 1回c 4日目以降:6.7 mg/kg 1回c 6 ~ 8 IIb B β-ラクタム系薬にアレルギーの場合かつダプトマイシンに忍容性がない場合 セフトリアキソン投与は推奨されない投与は推奨されないIII No benefit C本文を参照2)メチシリン耐性ブドウ球菌b (黄色ブドウ球菌,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌)ダプトマイシン†d +β-ラクタム系薬など1回8~10 mg/kg 1日1 回6~8 I B併用薬については本文を参照 バンコマイシン†初回負荷投与b 25~30 mg/kg維持投与量b 15~20 mg/kg 1日2回6~8 I B バンコマイシンのMICが>1μg/mLの場合は基本的に使用を避ける+ゲンタマイシン † 1回2~ 3 mg/kg 1日1 回b 2 バンコマイシン† +β-ラクタム系薬投与は推奨されない投与は推奨されないIII No benefit B本文を参照 テイコプラニン† 1日目・2日目:12 mg/kg 2回c 3日目:12 mg/kg 1 回c 4日目以降:6.7 mg/kg 1回c 6~8 IIb C腎機能低下症例ではバンコマイシンの代替薬 +ゲンタマイシン† 1回2~3 mg/kg 1日1回b 2 リネゾリド† 1回600 mg 1日2回6~8 IIb C使用については感染症専門医へのコンサルトを推奨するa:髄膜炎合併例では治療開始2週間,脳膿瘍合併例では治療期間全体で中枢移行性を考慮したレジメンを選択するb: アミノグリコシド系薬の併用は,治療開始から2週間併用してよいが,十分なエビデンスには乏しい(本文参照)併用する場合はゲンタマイシン1回2~3 mg/kg 1日1回,もしくは1回1mg/kg 1日2~3回とする.投与設計,TDMについては本文およびAppendix表2を参照c:投与設計,TDMについては本文およびAppendix表2を参照併用療法については本文を参照のことd:国内での適応は右心系IEのみ†保険適用外