p.44 抽出テキスト
た,事前に抗菌薬が投与されている症例で効果がみられていれば参考にする. 抗菌薬の投与量は,患者の腎機能に合わせて調整する.髄膜炎,脳膿瘍を合併している症例については,移行性を考慮して髄膜炎治療に準じる(表20). 2.1 自己弁の場合 抗菌薬の選択に際して原因微生物を推定する場合には,疫学報告366)を参考にして,S. aureus,緑色レンサ球菌(VGS),腸球菌,およびHACEKグループをカバーする抗菌薬を選択する.もし,医療関連感染に関連して発症した 場合は,緑膿菌などの非HACEKのグラム陰性桿菌のカバーを考慮するが,検出歴などから症例ごとに判断する. 症状の出現日が比較的明確であり,急激な発症と初期から重篤感が認められる例では,S. aureusやβ溶連菌が原因となることが多い.一方,経過が亜急性の場合はVGSや腸球菌が原因となる例が多いとされる.ただし,これらには例外もあるため注意が必要である.腸球菌が原因となる症例の多くは高齢者である367, 368). 推奨表5感染性心内膜炎のエンピリック治療または血液培養陰性時の抗菌薬の推奨とエビデンスレベル 抗菌薬投与量推奨クラスエビデンス レベル備 考 自己弁アンピシリン・スルバクタム1回3 g 1日3~4回IIb C MRSAの可能性が低い場合+セフトリアキソン+1回2 g 1日1回a バンコマイシン† orダプトマイシン†初回負荷投与b 25~30 mg/kg維持投与量b 15~20 mg/kg 1日 2回1回8~10 mg/kg 1日1回IIb C MRSAを考慮する場合ペニシリンアレルギーの場合+セフトリアキソン+1回2 g 1日1回aバンコマイシン† orダプトマイシン†初回負荷投与b 25~30 mg/kg維持投与量b 15~20 mg/kg 1日2回1回8~10 mg/kg 1日1回IIb C MRSAを考慮する場合+セフェピム1回2 g 1日2回バンコマイシン† orダプトマイシン†初回負荷投与b 25~30 mg/kg維持投与量b 15~20 mg/kg 1日2回1回8~10 mg/kg 1日1回IIb C β -ラクタム系薬にアレルギーの場合+ゲンタマイシン† +1回2~3 mg/kg 1日1回c 人工弁バンコマイシン† orダプトマイシン†初回負荷投与b 25~30 mg/kg維持投与量b 15~20 mg/kg 1日2回1回8~10 mg/kg 1日1回IIb C ゲンタマイシンの追加を考慮してもよい+セフトリアキソンor +アンピシリン・スルバクタム + 1回2 g 1日1回a + 1回3 g 1日3~4回 バンコマイシン† orダプトマイシン†初回負荷投与b 25~30 mg/kg維持投与量b 15~20 mg/kg 1日2回1回8~10 mg/kg 1日1回IIb C 医療関連感染のケースでHACEKグループ以外のグラム陰性桿菌のカバーを行う場合,ゲンタマイシンの追加を考慮してもよい+セフェピム1回2 g 1日2回バンコマイシン† orダプトマイシン†初回負荷投与b 25~30 mg/kg維持投与量b 15~20 mg/kg 1日2回1回8~10 mg/kg 1日1回IIb C β -ラクタム系薬アレルギーの場合+ゲンタマイシン† + 1回2~3 mg/kg 1日1回c a:髄膜炎/脳膿瘍の合併時は1回2 g 1日2回へ増量を検討b:投与設計,TDMについては本文およびAppendix表2を参照c:1回 1mg/kg 1日2~3回でもよい.投与設計,TDMについては本文およびAppendix表2を参照†保険適用外