GL検索 v0.1.0
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p.26 抽出テキスト

る111, 113-117). b.	頭蓋内病変の評価

くも膜下出血や脳出血(微小脳出血を除く)の検出に優れており,全身検索のCTに含めて撮像できる簡便性がある.CTAで頭蓋内の感染性動脈瘤の評価も可能である.梗塞を含む頭蓋内病変全般の検出力はMRIに劣るが,全身状態が不安定な場合や,MRIが撮像できない患者では有用である(第3章3.2 中枢神経合併症も参照). c.	その他の心外病変の評価

主要血管塞栓,敗血症性梗塞,感染性動脈瘤などのIEの診断小基準を含む,全身の病変検索目的としてCTは有用であり,治療方針にも関連する所見が得られる118, 119).また,敗血症の他原因のスクリーニング目的にも用いられる. d.	冠動脈CTA

IEの患者における冠動脈疾患のスクリーニングに有用である.IEに対する外科的介入が必要であり,大動脈弁や大動脈壁に塞栓のリスクがある疣腫を認める場合には,術前検査として冠動脈CTAを用いることができる120).一方,一般的な冠動脈疾患の精査を目的とする場合には,冠動脈描出能の向上を目的として,撮像前にニトログリセリンやβ遮断薬を投与することが多い.しかし,IEでは血行動態への影響を考慮し,これらの薬剤の使用が困難で,結果的に通常の冠動脈CTAと画質が異なる可能性がある点に留意すべきである.

5.3 MRI

MRIは被ばくのない検査法であり,非造影・ガドリニウム造影ともに目的に応じてさまざまなシーケンスで撮像される.心臓MRIでは ECG gating を併用し,形態・心機能評価,炎症・梗塞巣の検出,流速計測などが可能である. IEあるいはIEが疑われる患者におけるMRIによる全身評価は,CTと比較して適応が限られる.理由として,検査時間が長く,患者の状態が不安定な場合は撮像しにくいこと,体内金属・埋め込み式デバイスの有無などの安全確認が必要であることなど,MRI検査に制限があるためである.

IEあるいはIE疑いの患者におけるMRI検査は,以下のように特定の領域で有用性がある.

5.3.1 心臓MRI

MRIは組織コントラストに優れているため,疣腫と血栓との鑑別や,遅延造影を用いた病変周囲の炎症の評価に有用と報告されている121, 122).また,右心系のIEにおいても,心エコー図検査と比較して評価範囲に死角のないMRIは, CT同様にmultimodality imagingの1つとして有用性が示

されている123).心臓MRIはCTと比較して空間分解能が低く,人工弁埋め込み症例ではsignal voidによる画質低下も生じる欠点がある11, 124).現時点では,IEの評価において,心臓MRIはCTに対して付加的な役割である124).

5.3.2 IEに関連した中枢神経合併症(第3章3.2 中枢神経 合併症参照)

IEに関連した脳血管障害検出の感度はCTよりMRIのほうが優れている11).特に,急性期脳梗塞や微小脳出血,微小膿瘍において,MRIの検出感度が高い125-127).MR angiographyは,5 mm以上の頭蓋内感染性動脈瘤では, CTAと同程度の検出感度である128, 129).IEの確定診断に至っていない症例において,脳MRIでDuke診断基準の小基準に該当する陽性所見が認められることでIEの診断基準を満たし,早期の診断および治療開始につながることがある125, 130).なお,MRIで見られる脳病変の約80%が無症候性であり125),微小出血については診断小基準と考えるべきではない11).

5.3.3 脊椎椎間板炎

化膿性脊椎椎間板炎はIE患者の8.5%程度に発症する131).MRI所見には,椎体や椎間板の浮腫,脊椎周囲または硬膜外の炎症や膿瘍,骨びらん,椎体や椎間板のガドリニウム造影剤増強効果があげられる.MRIは,化膿性脊椎椎間板炎の感度が優れており,メタ解析の結果では,感度0.85(95% CI:0.65-0.95),特異度が0.66(95% CI: 0.48-0.80)であった132).早期の脊椎椎間板炎では,MRIでは所見を捉えるのが難しいことがあることに留意する133).

5.4 核医学画像診断(推奨表2)

核医学はCTと同じく被ばくに対する考慮が必要である.使用する放射線医薬品はCTやMRIで使用される造影剤と異なり,アレルギーなどの副作用の頻度が非常に低く,また腎障害でも投与可能である.現在感染・炎症の診断目的に用いられる核医学検査の特徴を表10に示す.シンチグラフィは核医学画像検査の総称であり,主に2Dの平面撮像と3Dの断層撮像(単一光子放射断層撮像[SPECT],陽電子放出断層撮像[PET])がある.SPECTは核医学画像のみ撮像可能な単体機と,画質補正が主目的であるがCT撮像が可能なSPECT/CT機がある.PET撮像は現在国内ではほとんどがCT搭載のPET/CT機で行われ,数施設でPET/MR機が導入されている.撮像はCTやMRIと異なり,