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学的な分類や基準項目の詳細な定義に違いがみられる. 本ガイドラインでは,2023 Duke-ISCVID診断基準が近年増加しているCDRIEにもより対応している基準と考え,わが国の臨床に合わせて脚注を加筆修正した2023 Duke- ISCVID診断基準(表7) 17)を示す.IEの診断は,本来病理 学的基準をもって行うが,IEは急速に重症化して生命予後を脅かす病態であり,病理学的基準の確認を待って治療を開始すると手遅れになることがある.そのため,病理学的診断基準を満たさなくても,臨床的基準で確診が得られれば,IEとして治療を開始する.また,たとえDuke診断基準に当てはまらなくても,IEの可能性が完全否定されるものではないことには留意する.特に,臨床的基準に用いられる各種検査の診断感度が必ずしも100%ではないことは,認識しておく必要がある.たとえば,修正Duke診断基準を用いた際の診断感度は約80%とされるが,病初期の感度はさらに低く,特に膿瘍形成例,人工弁置換術後,ペースメーカ植込み後では,心エコー図では明瞭な像が得られないことがあるため診断感度が低下する18, 19).そのため,発症当初の検査でDuke基準ではIEの確定診断が得られなくても,臨床経過からIEが疑わしければ,必要な検査を繰り返し行ってIEの診断または否定を行うことが重要である. 2023 Duke-ISCVID診断基準(表7) 17)では,修正Duke診断基準15)に記載されていた疣腫や検体組織からの病原微生物検出に加え,取り出した心臓デバイスや人工弁,グラフトから病原微生物が検出されれば,病理学的診断基準を満たすように改訂された.臨床的基準の大基準については,これまでA.微生物学的大基準とB. 画像診断的大基準の2つであったが,2023 Duke-ISCVID診断基準17)においては,新たにC. 外科的大基準が加わり3つの大基準となった.そして,この3つのうち2つの大基準を満たせば確診と判断される.血液培養については,修正Duke診断基準15)では,持続的に陽性であることを示すために12時間をあけて血液培養を行う基準もあったが.2023 Duke- ISCVID診断基準17)では,2回の血液培養の時間間隔に関する記述は削除された.また,2023 Duke-ISCVID診断基準17)では,微生物学的大基準のうち臨床検査において, PCR法を含む核酸検出法(A,(2),i)や間接免疫蛍光法(A,(2),iii)などの微生物検出法が新しく追加された.画像診断的大基準として,修正Duke診断基準15)では心エコー図のみが採用されていたが,新たにCTや18F-フルオロデオキシグルコース( 18F-FDG)PET/CTが正式に診断基準として記載された(表7,大基準B,(2)).特に人工弁置換術後や心臓デバイス留置後の症例では,アーチファクトや明らかな疣腫を形成しない例があるために,心エコー図のみではIEの診断が難しいことが多い.このような症例 においてCTや18F-FDG PET/CTが有用であるとの報告は多く,それを受けての改訂である.ただし,人工デバイス植込み後3ヵ月以内は,植込み箇所に炎症が残るため, 18F-FDG PET/CTで陽性所見を認めても偽陽性が多く,小基準にしかならない.また,現在18F-FDG PET/CTはわが国では保険適用外である. 小基準については,修正Duke診断基準15)では素因,発熱,血管現象,免疫学的現象,病理学的所見の5つが採用されていたが,2023 Duke-ISCVID診断基準17)では,新たに大基準を満たさないがIEが疑わしい画像診断基準(小基準F)と身体所見基準(新規の心雑音) (小基準G)が追加され,合計7 つの小基準となった.また,修正Duke診断基準15)に記載された小基準にも,いくつかの項目が追加されている.素因(小基準A)にはIEの既往,カテーテル治療も含めた弁手術後およびCIED植込み後が,血管現象(小基準C)には脳膿瘍および脾膿瘍が,それぞれ追加され,微生物学的所見(小基準E)についても,いくつかの感度の高い診断法が新たに取り入られている. 2023 Duke-ISCVID診断基準17)が,修正Duke診断基準や2015 ESC修正Duke基準と比べてIEの診断能を向上させることは,これまでいくつかの研究で報告されている20-24).たとえば,欧州の多施設共同研究20)では,修正Duke診断基準や2015 ESC修正Duke診断基準によるIE診断感度がそれぞれ70%であったものが,2023 Duke- ISCVID診断基準では84%まで向上したと報告されている.特に,従来の修正Duke診断基準では診断感度の低かった人工弁感染や心臓デバイス感染によるIEにおいて,2023 Duke-ISCVID診断基準によって診断感度が向上した21)という点は,今後増加が予想される人工弁や心臓デバイス術後管理では重要な点である.自己弁に比べると,人工弁や心臓デバイスに関連したIEの診断は難しいことが多く, 2023 ESCガイドライン11)では自己弁,人工弁,CDRIEのそれぞれについて異なった診断アルゴリズムが示され,それぞれのIEを疑った場合の画像診断推奨度も示されている. 一方で,わが国では2023 ESCガイドライン11)で推奨されている白血球シンチグラムが普及しておらず,わが国の医療保険制度や各医療機関における医療設備などの面からも,欧米と同様の診断アルゴリズムを運用するのは難しいと考えられる.そのため,本ガイドラインでは,わが国で運用可能と考えられる大まかな診断アルゴリズムを図2として提示しておく.まずはIEが疑われた時点で速やかに臨床所見,血液培養,心エコー図など基本的評価項目を行い,確診と判定されればIEとして迅速に治療を開始する.