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p.55 抽出テキスト

フィルター(表17)はそれを補完する医療器具404, 405)である.

抗凝固療法が可能な患者におけるIVCフィルターの適応(相対的適応)について,永久留置型IVCフィルターを用いたRCTであるPREPIC試験406)では,フィルターによる短期PTE抑制効果(4.8% vs. 1.1%)は,中期のDVT再発の増加(20.8% vs.11.6%)によって相殺された.8年後の追跡調査407)でも同様の結果であった.PREPIC 2試験408)では回収可能型フィルター(ALN)を用い,3ヵ月後に抜去したところ,3および6ヵ月後のPTE発症率は,フィルター群ではそれぞれ3.0%,3.5%であったのに対し,非使用群では1.5%,2.0%と,死亡率を含め有意差を認めなかった.この結果を受け,2016年のACCPガイドライン第10版312)では,抗凝固療法可能な急性VTE患者に対してはフィルターを勧めないとしたが,再度の塞栓化により致死的となりうる中枢型DVTに関しては,熟練者による留置に反対していない.

有効な抗凝固療法が実施できない場合の多くは,服薬が遵守されない,治療的抗凝固レベルへ到達しない,薬物間

の静脈造影,血管内超音波など行い,狭窄病変(iliac compression,血栓)に血管内治療を行う400, 402, 403).

筋膜切開術:虚血が高度な場合は下腿筋膜切開を行う.有痛性青股腫62下肢中11下肢で施行されていた146).

8.2.4 成績

有痛性青股腫に限らない場合の血管内治療を併用した血栓摘除術の術後開存率は70~80%,PTS発症率は10~ 20%である400).抗凝固療法に比べPTS発症率が低いとの報告もある399).有痛性青股腫例の2008年までの解析では大切断22%,死亡率22%であったが146),最近の15人の報告では大切断,死亡はなかった397).

9 IVCフィルター

急性PTE予防および治療の原則は抗凝固療法であり,

表17 IVC フィルターの種類(2025 年3 月現在)

カテゴリーフィルター名フィルター

部材質MRI適合血管径(mm)フィルター長(mm)セット(内頚・大腿)カテーテル径(F)抜去カテーテ

ル内径(F)回収可能期間市販

永久留置型Greenfield (ステンレス

スチールタイプ)ステンレススチール可能(1.5T

まで) <28 50内頚・大腿用別12(内径)中止

Greenfield (チタニウムタイプ)チタニウム可能(4.7T

まで) <28 50内頚・大腿用別12(内径)中止

TrapEase Ni-Ti 系形状記憶合金可能(3T

まで) 18~30 50~60内頚・大腿用共用6(内径)中止

回収可能型Günther Tulip Co, Cr, Ni系合金可能(3T

まで) 18~30 50内頚・大腿用別7(内径) 12担当医の判断有

OptEase Ni-Ti 系形状記憶合金可能(3T

まで) ≦30 54~66内頚・大腿用別6(内径) 10 12日以内中止

ALNステンレススチール可能(3T

まで) 16~28 55内頚・大腿用別7(内径) 9 10日以内中止

DENALI Ni-Ti 系形状記憶合金可能(3T

まで) ≦28 51内頚・大腿用別8.4(内径) 11担当医の判断有

一時留置型ニューハウスプロテクトSE Ni-Ti 系形状記憶合金適合性未試験13~32内頚・大腿用共用8(外径) 10日以内有