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再発や疼痛が継続する.これらのPTS患者に対して静脈ステント留置を含めたカテーテル治療の有用性が示されている372-374).しかし保存療法とのRCTはなく,保存療法が無効であった重症例にのみ適用されるべき術式である.治療は承認されたステントの適正使用指針にしたがって行う349). 8 外科的治療 8.1 急性PTEの外科的治療(推奨表12) 推奨表12 急性PTE の外科的治療に関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 肺動脈中枢(肺動脈幹,主肺動脈)に血栓が存在する高リスクPTE で,血栓溶解療法禁忌例,不成功例,経皮的体外循環導入例,昇圧薬投与で循環動態維持が困難な例に肺動脈血栓摘除術(人工心肺使用)を行う. I C肺動脈中枢(肺動脈幹,主肺動脈)に血栓が存在する高リスクあるいは中高リスクPTE で,継続的抗凝固療法の高リスク例に対し,肺動脈血栓摘除術(人工心肺使用)を考慮する. IIa C肺動脈中枢(肺動脈幹,主肺動脈)に血栓が存在する中高リスクPTE で,血栓溶解療法禁忌例,不成功例,循環動態や呼吸状態,右心機能が増悪する場合や予測死亡率が高いと判断された場合に,肺動脈血栓摘除術(人工心肺使用)を考慮する. IIa C 8.1.1 急性PTEに対する外科治療の現況 急性PTEに対する肺動脈血栓摘除術は,近年成績の向上がみられる.わが国における年間手術件数は2014~ 2021年で84~127件であり,増加傾向にある28). 欧米のガイドラインでは,外科治療は第一選択として推奨せず,血栓溶解療法が禁忌もしくは不成功となった症例に限っている205, 375).そのため手術症例の多くは重症で,メタ解析では33%が血栓溶解療法,14%がカテーテル血栓除去術を受けており,9%で心肺蘇生(CPR)が実施され,36%にV-A ECMOが導入されていた376).わが国も同様で,わが国のデータベースJCVSDに登録された355人(2008~2014年)ではCPR が27.6% に行われ,V-A ECMOが26.5%に導入されていた231).このように手術は 重症例が多いために死亡率が高かったが,メタ解析によると,近年の死亡率は低下している376, 377).米国の全国入院患者サンプルを解析した研究では,手術死亡率は1999~ 2008年(2,709人)の27.2% 378)から2010~2014年(3,085人)は19.8%に低下していた379).JCVSDでも,2008~ 2014年の20.6% 231)から2017~2021年では13.3%に低下していた380). V-A ECMOは全身臓器灌流を維持し,肺循環をバイパスすることで右心室の前負荷を軽減することができるため,臓器機能回復や手術までの橋渡し療法などV-A ECMOを含めた治療プロトコルが有用である可能性がある381, 382).わが国のDPCデータを解析した研究では,高リスク急性PTE患者の院内死亡率は,V-A ECMO単独治療群では58.7%であったのに対し,V-A ECMO+肺動脈血栓摘除術併用では39.7%であり,V-A ECMOと外科治療の組み合わせが有用である可能性が示唆された32). また,最新のAHAのサイエンティフィックステートメントでは,術前CPR施行例を多く含む(4.9~45.8%)重症例に対する手術成績であるにもかかわらず,死亡率は2.3~ 13.2%と良好であり,外科治療とV-A ECMOのより広範な使用を提案している383). 8.1.2 手術適応 高リスクPTEは院内死亡率が25~65%と非常に高く,抗凝固療法に加えて血栓溶解療法や侵襲的治療が必要となる384, 385).出血性合併症のリスクが高いため血栓溶解療法が不適な症例や,カテーテル治療や血栓溶解療法不成功例も手術の適応となる.肺動脈血栓摘除術は,術直後より右室圧負荷の低下により血行動態の改善が得られる利点があり,昇圧薬投与で循環動態維持が困難な例に対して有効である.また,右房や右室に浮遊血栓を認める場合の死亡率は29%と高く,兆候なく突然血行動態が破綻する危険性があるため,手術を考慮する386). 中リスクPTEは院内死亡率が低いため一般的には手術の適応とならないが,抗凝固療法や血栓溶解療法などで循環動態や呼吸状態,右心機能が増悪する中高リスクPTEの場合は手術を考慮する.中高リスクPTEには死亡率の高いサブグループが存在する.PESIスコア(表5)などの重症度評価は手術適応判断の助けとなる387). CTEPHの急性増悪(acute on chronic)は病態が急性PTEと似ているが,超低体温循環停止法で行われる肺動脈内膜摘除術が必要となるため,肺動脈血栓摘除術単独は適応とならない.