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7 カテーテル治療 7.1 急性PTEのカテーテル治療 急性PTEに対するカテーテル治療は,血栓溶解薬併用と非併用に大別される348, 349)(推奨表11,表16).血栓溶解薬併用ではカテーテル先端を肺動脈内の血栓塞栓に留置し,血栓溶解薬を血栓に直接投与することで末梢静脈からの全身投与法に比較し,少ない投薬量で高い血栓溶解効果を得ることを目的としている.出血リスクが高い患者 にも使用可能であるが,活動性出血患者,特に脳出血などでは使用できない.血栓溶解薬非併用のカテーテル治療は出血を助長することなく肺動脈内血栓塞栓を除去することができ,外科的血栓除去術と比べ侵襲度が低いことから,活動性出血を伴う重症度の高い急性PTEにも有用と考えられる. 血栓溶解薬併用カテーテル治療には,カテーテルを用いて血栓局所に血栓溶解薬を投与するカテーテル血栓溶解療法(CDT),血栓局所に血栓溶解薬を投与して軟化させ,かつベンチュリ効果を利用して吸引を図る流体力学的血栓除去術(rheolytic thrombectomy,AngioJet ®など),血栓溶解を促進する目的で高周波超音波を照射する超音波補助カテーテル血栓溶解療法(USAT,EkoSonic TM)などが用いられてきた. CDTについては,血栓溶解薬を肺動脈に留置したカテーテルから投与した群と末梢静脈から全身投与した群とのRCTでは両群間に血栓溶解効果の差は見出されず350),カテーテルを血栓に刺入し,血栓溶解薬を直接,血栓に投与することが必要と考えられる.USATでは,右心負荷所見を有するPTE患者59人をヘパリン単独治療群と比較したところ,24時間後の右室/左室比はUSAT群で有意に改善が得られた351).しかし,亜広範型PTE患者81人の検討では,肺動脈内血栓量の退縮(48時間後のMillerスコア)について,CDT群とUSAT群に有意差は認められなかった352). 近年,中高リスクと一部の高リスク症例に対する血栓溶解薬非併用カテーテル治療について,出血合併は少なく,良好な臨床成績が報告されている353-355).本法には,柔軟な大口径吸引カテーテルに血栓除去ディスク,血液回収装置を備えたINARI FlowTriever ®システムと,柔軟な中口径カテーテルに吸引圧を一定に保つ持続吸引装置を備えたPenumbra Indigo ®システムなどがある.わが国では海外で使用されている血栓除去カテーテルが承認されていないため,もっぱらガイディングカテーテルを用いた用手的吸引術が用いられてきた.カテーテル治療の合併症としては,穿刺部の出血,肺出血,不整脈,溶血,ヘモグロビン尿, 表16 急性PTE に対するカテーテル治療 血栓溶解薬を用いたカテーテル治療カテーテル血栓溶解療法各種カテ―テルを用いて肺動脈内血栓局所に血栓溶解薬投与血栓溶解薬を用いないカテーテル治療機械的血栓除去術吸引血栓除去術血栓破砕術FlowTriever®(Inari Medical, Irvine, CA)(わが国未承認) Indigo®(Penumbra, Alameda, CA)(わが国未承認)ピッグテイルカテーテル,バルーンカテーテル 推奨表11 急性PTE に対するカテーテル治療に関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 全身血栓溶解療法が禁忌,無効あるいは抗凝固療法禁忌の高リスクPTE に対し,熟練した術者,専門施設にて血栓溶解薬非併用カテーテル治療を行うことを考慮する. IIa C抗凝固療法が禁忌の中リスクPTE に対し,熟練した術者・専門施設にて血栓溶解薬非併用カテーテル治療を行うことを考慮してもよい. IIb C抗凝固療法により病態が悪化し,全身血栓溶解療法が禁忌の中リスク急性PTE に対し,熟練した術者,専門施設にて血栓溶解薬非併用カテーテル治療を行うことを考慮する. IIa C動脈虚血を伴う重症DVT に対して,カテーテル治療を行う. I C急性期症状が重度 *の腸骨静脈を含むDVT に対して,カテーテル治療を考慮する. IIa C圧迫療法,抗凝固療法が有効でない重症PTS に対して,カテーテル治療を考慮する. IIa C *重度の定義は「血栓除去デバイス静脈ステント適正指針」349)に準じる.