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p.47 抽出テキスト

れていない300).ヘパリンは胎盤通過性が少なく催奇形性がないため,長期の抗凝固療法が必要な妊婦への安全性が高い唯一の薬剤である.わが国では低分子ヘパリンの保険適用がないため,未分画ヘパリンが皮下注射あるいは周産期には持続静脈注射により使用されている.

4.15 授乳中の抗凝固療法

ワルファリンは乳汁中への移行が少なく,授乳期は投与可能である.一方でDOACはいずれも乳汁中への移行が認められているので授乳は避けることが推奨されている.ただし,リバーロキサバンは,乳汁中への移行が軽度であることが薬理学的な検討から報告されている301).またリバーロキサバン内服下に授乳を行った新生児の薬物動態を含めた報告からは,安全に管理できたとされており,選択肢となりうる302).

5 DVTの抗凝固療法(推奨表10)

推奨表10 DVT の抗凝固療法に関する推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

中枢型DVT の治療:初期(0~7 日)~維持治療(8 日~3ヵ月)中枢型DVT の急性期治療として,ヘパリンなどの非経口抗凝固薬を開始し

*1,経口抗凝固薬であるワルファリンを併用する.非経口抗凝固薬はワルファリンの効果が治療域に到達するまで継続する. I Bワルファリンの治療域は,PT-INR が1.5 ~2.5 となるように調節することを考慮する. IIa C中枢型DVT に対して,急性期治療としてDOAC を投与する.エドキサバンは適切な初期治療後に投与を開始する.リバーロキサバンおよびアピキサバンは,一定期間の高用量による初期強化療法の後に維持量を継続する. I Aすべての中枢型DVT に対して,抗凝固薬の禁忌や継続困難な出血がない場合,少なくとも3ヵ月の抗凝固療法を行う. I A中枢型DVT の治療:再発予防のための抗凝固薬による延長治療(3ヵ月以降)

中枢型DVT の治療および再発予防のための抗凝固療法として,一過性のメジャーな因子,および一過性のマイナーな因子による中枢型DVT に対して3ヵ月間の抗凝固療法を行うことを考慮する. IIa B誘因のない中枢型DVT(unprovoked 中枢型DVT)に対し,出血リスクが高い場合には,中枢型DVT の治療および再発予防のための抗凝固療法として,3ヵ月間の抗凝固療法を行うことを考慮する. IIa B誘因のない中枢型DVT(unprovoked 中枢型DVT)に対し,出血リスクが高くない場合には,中枢型DVT の治療および再発予防のための長期の抗凝固療法として,低用量DOAC が使用できるなら可及的長期の抗凝固療法を行うことを考慮してもよい

*2. IIb C持続性の誘因による中枢型DVT に対し,中枢型DVT の治療および再発予防のための長期抗凝固療法として,可及的長期の抗凝固療法を行うことを考慮する. IIa B活動性がん患者の中枢型DVT への抗凝固療法は,出血性合併症に留意しながら,がんの活動性がなくならないかぎり継続することを考慮する. IIa B中枢型DVT において,再発をきたした患者では可及的長期の抗凝固療法を行う. I B中枢型DVT で3ヵ月以上の抗凝固療法の延長を行う場合には,リスクとベネフィットを定期的に十分に検討する. I C活動性がん患者など再発リスクが高い患者以外の中枢型DVT に対する延長治療には,低用量DOAC を考慮する

*2. IIa A

誘因のないDVT の抗凝固療法中止後に,抗凝固療法の延長治療を希望しない,あるいは可能でない場合に,再発予防としてアスピリンを投与することを考慮してもよい. IIb B末梢型DVT の治療末梢型DVT には画一的に抗凝固療法を施行しない.特に陳旧性末梢型DVT に留意する. I B末梢型DVT に対して理学療法,中枢進展の観察を行う. I C末梢型DVT に抗凝固療法を施行する場合は,3ヵ月までとする(活動性がん患者の末梢型DVT に関しては他の推奨項目も参照). I B活動性がん合併の無症候性末梢型DVT に対して,出血性合併症に留意しながら抗凝固療法を行うことを考慮してもよい. IIb B