p.42 抽出テキスト
れ258),日本人を含む東アジア人集団のサブ解析でも同様の有用性が確認されている264).さらに,日本人における市販後調査でも同様の有効性と安全性が示されている265). b. リバーロキサバン リバーロキサバンは,2015年9月にVTEに対してわが国でも承認されたDOACである.通常は,初期3週間は15 mgを1日2回投与し,その後は15 mgを1日1回投与する.CCr 30 mL/分未満の患者への投与は禁忌である. リバーロキサバンは,大規模国際共同臨床試験であるEINSTEIN-PE試験およびEINSTEIN-DVT試験で,その有効性と安全性が示され259, 260),日本人においては第III相試験であるJ-EINSTEIN DVT/PEプログラムにて,国際共同臨床試験と一貫した結果が確認されている266). 同様の有効性と安全性が日本人での市販後調査および医師主導登録研究とそのサブ解析でも示されている267, 268). c. アピキサバン アピキサバンは,2015年12月にVTEに対してわが国でも承認されたDOACである.通常は,初期1週間は10 mgを1日2回投与し,その後は5 mgを1日2回投与する.CCr 30 mL/分未満の患者への投与は禁忌である.アピキサバンは,大規模国際共同臨床試験である AMPLIFY試験で,その有効性と安全性が示され261),日本人においては第III相試験であるAMPLIFY-J試験にて,国際共同臨床試験と一貫した結果が確認されている269).同様の有効性と安全性が日本人での市販後調査でも示されている270). 4.4 VTEの再発予防と慢性期の抗凝固療法 急性期の病態が改善した慢性期には,VTEの再発予防を目的とした抗凝固療法が検討されることになる.抗凝固療法には一定の出血リスクを伴うため,あくまでもVTEの再発リスクが出血リスクを上回る患者が適応となる.そして,これらのリスクは治療経過中に変動しうるため,定期的に再評価を行い,都度抗凝固療法の継続と中止のリスクとベネフィットを検討する必要性がある.またリスクとベネフィットを検討する際には,再発および出血のイベントの詳細とその重みづけなども考慮する必要性がある. 表13 各DOAC の大規模臨床試験結果 リバーロキサバンアピキサバンエドキサバン試験名EINSTEIN-DVT EINSTEIN-PE AMPLIFY Hokusai-VTE試験方法オープンラベルオープンラベル二重盲検二重盲検治療薬リバーロキサバンビタミンK拮抗薬リバーロキサバンビタミンK拮抗薬アピキサバンワルファリンエドキサバンワルファリン 投与方法15 mg ×2/日・3週間その後20 mg ×1/日エノキサパリン/ ワルファリン15 mg ×2/日・3週間その後20 mg ×1/日エノキサパリン/ ワルファリン10 mg ×2/日・1週間その後5 mg× 2/日エノキサパリン/ ワルファリンヘパリン *1投与後 60 mg (30 mg *2) × 1/日ヘパリン *1/ワルファリン 治療期間3, 6, 12ヵ月3, 6, 12ヵ月6ヵ月3~12ヵ月(フレキシブル)症例数(日本人) 3449(なし) 4832(なし) 5395(なし) 8240(209)主要評価項目(有効性) VTE再発VTE再発VTE再発/VTE関連死VTE再発発生率(%) 2.1 3 2.1 1.8 2.3 2.7 3.2 3.5ハザード比0.68(非劣性) 1.12(非劣性) 0.84(非劣性) 0.89(非劣性)主要評価項目(安全性)大出血および臨床上重要な非大出血大出血および臨床上重要な非大出血大出血大出血および臨床上重要な非大出血発生率(%) 8.1 8.1 10.3 11.4 0.6 1.8 8.5 10.3ハザード比0.97(非劣性) 0.9(非劣性) 0.31(優越性) 0.81(優越性)出典文献259文献260文献261文献258 *1未分画ヘパリンまたは低分子ヘパリン, *2体重60kg以下,クリアチニンクリアランス30~50mL/分,P糖蛋白阻害薬併用(Büller HR, et al. 2013 258),Bauersachs R, et al. 2010 259),Büller HR, et al. 2012 260),Agnelli G, et al. 2013 261)を参考に作表)