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患者を選択するためにも用いられつつある.PESIスコアを用いて低リスク群と判断された344人を入院治療と外来治療に割り付けた無作為化比較試験(RCT)では,両群ともに90日死亡は1人(0.6%)のみで,PESIにより適切に選択された低リスク患者は外来治療が可能であった214).sPESIスコアに関しては,日本人でも急性期予後に関する検証結果が報告されている.スコアが0の患者における30日の死亡率は0.5%であり,スコア1以上の患者と比較して有意に低かった94).これらの結果から,欧米での検証結果を日本人に外挿し,適切に選択された低リスクPTE患者の外来治療を考慮することは可能である. また近年では,より外来治療がしやすいDOACを用いた外来治療に関する研究結果が報告されている.血行動態が安定し,右室機能不全を認めず,重篤な併存疾患を有しない低リスクPTE患者525人について,リバーロキサバンを用いて外来治療を実施したところ,PTE関連死は1人も認めず,3ヵ月時点での症候性もしくは致死的な再発性PTEは3人(0.6%)のみであった215). どのような基準を用いて適切な低リスク患者を選択するかに関しては議論の余地を残すが,併存疾患を含めた患者背景に問題がなく,急性PTEの重症度の詳細な判定にて低リスクと判断され,加えて外来治療に適した社会背景を有する患者では,DOACを用いた外来治療も妥当な選択肢と考えられる.2019年改訂版ESCガイドライン2)では,臨床リスクスコアで低リスクと判定され右心機能障害も認めない場合,適切な社会背景を有する患者では外来治療を検討することが記載されている.ただし,残存DVTの評価などを適切に行い,PTE再発時のリスクなどに十分注意することも重要である.また近年,がん患者に偶発的な形を含めて軽症のPTEがみつかる場合も多い.sPESIスコアには「がん」が因子として含まれているため1点以上になるが,最近の報告では,がん以外のsPESIスコアの因子を有しない軽症のPTEのがん患者は,外来治療も可能であることが示唆されている216). 2 高リスクPTEの呼吸循環管理 (推奨表7) 推奨表7高リスクPTE の呼吸循環管理に関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 動脈血酸素分圧(PaO2)60 mmHg 分圧以下(SpO2 では90%以下)で酸素吸入(高流量鼻カニュラ含む),改善されなければ人工呼吸管理(1 回換気量を6 mL/kg)を行う. I C心肺蘇生困難例,薬物療法にても呼吸循環不全を安定化できない例にはV-A ECMO 導入を考慮する. IIa C心拍出量低下,低血圧例にノルエピネフリン投与を考慮する. IIa B心拍出量低下,正常血圧例にドブタミン投与を考慮する. IIa C中心静脈圧の低下を伴う右心不全患者の低血圧症に対する容量負荷は,過剰負荷に注意しながら施行を考慮してもよい. IIb C 急性PTEは急性呼吸循環不全が基本病態であり,特に広範型PTEにおいて発症1時間以内の死亡率がきわめて高い217).重症例では呼吸循環管理,診断,治療を同時に進行する必要がある(図9). 2.1 呼吸管理 PaO2 60 mmHg以下(SpO2 では90%以下)であれば酸素療法を行う.実験的な急性PTEブタモデルにおいて,酸素療法は右室の後負荷を軽減し,機械的仕事を低下させることが示されている218).高流量鼻カニュラ(HFNC)はFiO2 を100%まで上げることが可能で,非侵襲的換気(NIV)と比較して必要最小限の呼気終末陽圧(PEEP)であるため,優れた忍容性を示す.HFNCを使用したPTE患者において開始1時間以内に酸素飽和度の上昇ならびに呼吸数の低下が得られた219)ことから,HFNCによる酸素供給が望ましい. 酸素吸入でSpO2 90%以上を安定して維持できなければ,挿管による人工換気を考慮するが,人工換気は胸腔内圧の増加により,静脈還流が減少し右心不全をさらに悪化させる可能性がある.そのため,酸素化と血行動態とのバランスを考慮して適応を判断する.また再灌流療法が同時に行