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p.34 抽出テキスト

定には,病歴,下肢症状,診察所見,および危険因子からWellsスコア(DVT用)などを用いる(表8)

156, 157).Wells

スコアは日本人でも前向きに検証され,有益性が認められている158, 159).ただし外来患者での有用性と比較し,入院患者での有用性は低いことに注意を要する209).

Wellsスコア(3分類法)が高確率の場合には,Dダイマーが陰性であっても急性DVTに対する陰性的中率は84%であり,完全に否定することはできない.そのため, Dダイマー検査を実施せずに下肢静脈超音波検査,もしくは造影CT検査などの画像診断を行う.一方で,Wellsスコアが低確率の場合にはDダイマー検査の陰性的中率は99%,中確率の場合には陰性的中率は96%であることから, Dダイマー検査を施行し,陰性であればDVTはほぼ否定的と判断できる.Dダイマーが陽性であれば画像診断を実施する156).

Wellsスコア(2分類法)の低可能性スコア(1点以下)でDダイマーが陰性であれば陰性的中率は98%であり, DVTはほぼ否定できる.また,性差,外来/入院患者にかかわらず使用できるが,入院しているがん患者には使用できない157).

下肢静脈超音波検査として,中枢下肢静脈超音波検査のみ施行した場合には,確認できなかった末梢型DVT中枢伸展の可能性が否定できないため,1週間後程度での再超音波検査が推奨される.ただし,下腿静脈まで含めて検査を行う全下肢静脈超音波検査を実施してもDVTが描出されなかった場合,その後3ヵ月での臨床的なVTEの発症率は0.57%ときわめて低く180),その後の再検査の必要性は乏しい.わが国では全下肢静脈超音波検査が広く普及しており,繰り返しの画像診断が一般的には認められない保険制度,医療経済,患者の再受診の利便性の点から,可能であれば初回から全下肢静脈超音波検査を施行するのが妥当と考えられる.

なお下肢静脈超音波検査では,腸骨静脈領域からIVC領域の観察が,体形や腸管ガスの影響で不十分となる場合もある点には注意を要する.DVT診断時には,病態評価として血栓部位および性状·血栓年齢を評価し(表9),また呼吸・循環を評価しPTEの合併の有無にも注意する.

図8急性DVT の診断フローチャート*1詳細は表7,8を参照. *2下肢静脈超音波検査あるいは造影CT検査などを施設の実施体制に応じて検討する. *3血栓部位および性状を評価し,また呼吸・循環を評価しPTEの合併の有無にも注意をする.

病歴/問診/診察によりDVTを臨床的に疑う

高い

上昇

中枢型DVT末梢型DVT

検査前臨床的確率の推定*1

病態評価*3

採血検査:Dダイマー画像診断*2

正常

急性DVTは否定的

低いあるいは中程度