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p.24 抽出テキスト

6.2 CTEPD(慢性血栓塞栓性肺疾患)

急性PTE後に労作時呼吸苦,運動耐容能やQOLの低下をきたす患者が存在し,post PE syndromeともよばれる111-113).しかし機序や実態は十分に明らかではない.このうち肺動脈内の残存器質化血栓に起因する症状をもつ患者は肺高血圧症(PH)の有無にかかわらず慢性血栓塞栓性肺疾患(CTEPD)とみなされる.CTEPD with PHがCTEPHとよばれる114).CTEPDおよびCTEPHの疫学,成因については第9章CTEPH参照.

急性PTEの診断時点で,CTEPDへの移行リスクを念頭に,血栓を残存させないことを意識した抗凝固療法を可及的すみやかに開始することが重要である.また,再発,出血,悪性腫瘍,運動制限の持続,新規発症を示唆する症

状の出現を確認し,抗凝固療法の延長を検討するために急性PTEの発症後3~6ヵ月で臨床評価を行うことを推奨する115-118).CTEPH発症リスクが高い症例,3~6ヵ月後のフォローアップ時に息切れや右心負荷がある場合には積極的に残存血栓の評価を考慮する2).

CTは肺血流シンチグラフィと比較してCTEPH診断の陰性的中率が低い.このため,残存血栓の評価には肺血流シンチグラフィを用いることが望ましいが119, 120),核医学検査を施行できない施設においては,十分に造影/撮影プロトコルを確認したCT,デュアルエナジーCTなどでの代用を考慮してもよい2, 121, 122).これらの検査で血流欠損の残存が示唆される有症状患者は,心エコー図検査などの結果も考慮したうえで専門施設への紹介を行う(図6).

図6 CTEPH を意識した急性PTE フォローアップ

急性PTE診断

定期的なフォローアップ

専門施設への紹介CTEPH以外の息切れ,右心負荷の原因精査

可及的すみやかな

抗凝固療法

肺血流シンチグラム(CTでの代用も考慮されうる)

・息切れ・心エコー図検査での右心負荷

3~6ヵ月 フォローアップ

どちらか1つ以上

あり

あり

多発血流欠損なし

なし・息切れ, 心エコー図検査での右心負荷の出現

・出血リスクを考慮・血栓の完全溶解を意識した治療選択