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者・年に増加した25).また,わが国の観察研究であるCOMMAND VTE Registryでは,急性の症候性VTE患者3,027人におけるVTE診断後1年時点での再発率は,一過性の誘因のある患者群では4.6%,誘因のない患者群では3.1%,活動性のがんの患者群では11.8%であった(図3) 97).一方で,抗凝固療法中止後の再発率は,それぞれ4.2%,8.4%,8.8%であり,誘因のない患者群や活動性のがんの患者群では,欧米からの報告と同様に比較的高率であった97). 6 慢性疾患への移行(PTSと CTEPD)(推奨表3) 推奨表3急性PTE の慢性疾患への移行(PTS とCTEPD)に関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 急性PTE の発症後3~6ヵ月に,再発,出血,悪性腫瘍,運動制限の持続または新規発症を示唆する症状の確認,および抗凝固療法の延長を検討するため,臨床評価を行う. I B急性PTE の発症後3~6ヵ月に息切れや右心負荷がある場合には,残存血栓の評価を考慮する. IIa C肺血流シンチグラフィで血流欠損がある有症状の急性PTE 後の患者は,心エコー図検査の結果も評価したうえで専門施設への紹介を行う. I C中枢型DVT の患者に対し,PTS 予防のために圧迫療法を考慮する. IIa A 6.1 PTS(血栓後症候群) DVT後の血栓遺残,弁破壊による逆流などで慢性的に静脈うっ滞の症状,所見が出現し,最終的には難治性である静脈性潰瘍を呈する病態をPTSとよぶ98-100)(図4). 6.1.1 疫学と発症危険因子 PTSは軽症も含めると急性DVT後の20~80%に発症するとされている101-104).わが国の観察研究では,急性DVT後の3年におけるPTS発症率は13%であった105).発症の危険因子は血栓範囲が広い106),同側のDVT再発98, 106, 107),深部静脈の閉塞と弁不全の両者が存在することとされ58, 106),さらに肥満,生活環境,穿通枝や表在静脈の弁不全も関与する.ただし,DVT発症初期の抗凝固療法が適正に施行された症例では発症が少ない102, 108, 109). 6.1.2 診断 PTSの診断には,症状および理学的所見を点数化するVillaltaスコアが用いられる.通常は5点以上で軽症,10点以上で中等症,15点以上あるいは静脈性潰瘍例は重症と診断される110)(図5). 6.1.3 予防 PTSの予防には,適切な抗凝固療法(第3章5. DVTの 図3 COMMAND VTE Registry における発症危険因子別での再発率(Yamashita Y, et al. 2018 97)より改変) 一過性の誘因誘因なし活動性がん (%) イベント再発率30 25 20 15 10 5 0 診断後日数 0 365 730 1095 1460 1825(日)