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る43-45).下腿部での初発部位は多くがひらめ静脈で10, 46),多くは中央枝から発生し,数日で消失することが多い.末梢型から中枢型への進展は3~3.7%である47-49). 3 VTEの危険因子 血栓形成の3大要因は,1856年にRudolf C. Virchow が提唱した1血流の停滞,2血管内皮傷害,3血液凝固能亢進があげられる.それをもとにしたVTEのおもな危険因子を表3 に示す.誘因のある(provoked)もしくは誘因のない(unprovoked)VTEという分類は治療期間にも影響を与えるため,診断だけではなく治療上も重要となる(第3章VTEの治療も参照). 血栓形成に影響する誘因やリスクが明らかでない場合においても,悪性腫瘍の併存は経過や治療法に影響するため重要である.VTE発症時に明らかな悪性疾患の合併がなくても,6ヵ月以内に何らかの悪性疾患の存在が明らかになることも多いという報告がある50, 51).さらに,がんの治 療効果の判定のために施行される造影CT検査で,無症候性VTEが偶然発見される場合がある. 安静・臥床も血栓形成の誘因となる.患者の発症リスクを判定するには,複数の危険因子とその成因を考慮した定量的解析法が重要である52).欧米では2001年に院内発症を予防するために基本的危険因子の総リスク度を4段階に評価し,さらに3段階の強度の付加的危険因子を考慮して最終判定するガイドラインが発表された53-56).日本循環器学会でも2004年以降のVTEのガイドラインで採用している.その後欧米では入院中の内科的疾患において,危険因子をスコアリングし,リスクを評価する方法が提案されている57, 58). また,わが国で問題になるのは地震災害に伴うVTEである.2004年の新潟県中越地震,2011年の東日本大震災の際に被災者からPTE,DVT症例が報告され,特に車中泊が問題となった59).2014年度に日本循環器学会/日本高血圧学会/日本心臓病学会の合同で「災害時循環器疾患の予防・管理に関するガイドライン」60)が作成されており, 表3 VTE のおもな危険因子 後天性因子先天性因子 血流停滞長期臥床肥満妊娠心肺疾患(うっ血性心不全,慢性肺性心など)全身麻酔下肢麻痺,脊椎損傷下肢ギプス包帯固定加齢下肢静脈瘤長時間座位(旅行,災害時)先天性 iliac band web, 腸骨動脈による iliac compression 血管内皮傷害各種手術外傷,骨折中心静脈カテーテル留置カテーテル検査・治療血管炎,抗リン脂質抗体症候群,膠原病喫煙高ホモシステイン血症VTEの既往高ホモシステイン血症 血液凝固能亢進悪性腫瘍妊娠・産後各種手術,外傷,骨折熱傷薬物(経口避妊薬,エストロゲン製剤など)感染症ネフローゼ症候群,炎症性腸疾患,骨髄増殖性疾患,多血症,発作性夜間血色素尿症,抗リン脂質抗体症候群脱水アンチトロンビン欠乏症プロテインC欠乏症,プロテインS欠乏症プラスミノーゲン異常症異常フィブリノーゲン血症tPAインヒビター増加トロンボモジュリン異常活性化プロテインC抵抗性(第V因子Leiden *)プロトロンビン遺伝子変異(G20210A *) *日本人には認められていない