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p.148 抽出テキスト

性成熟期にあるPAH女性には,早期に妊娠リスクについての情報提供を行う.挙児希望がない場合,血行動態不良な重度PAHにおいては,適切な避妊法についての指導,提供を行う.挙児希望がある場合は,PH専門施設において,患者および家族の意思決定支援のため,妊娠・出産リスクについて情報提供を含めたカウンセリングと意思決定の共有が推奨される.養子縁組など,子をもつための他の選択肢についても言及し,遺伝性PAH患者においては遺伝カウンセリングの実施を考慮する.患者・家族に対して心理的なサポートも必要に応じて行うことが望ましい.

PAH患者が妊娠した,妊娠中に新たにPHと診断された際は,早急にPH専門施設での受診を促す.アイゼンメンジャー症候群や重度/中等度PAHで右室機能不全を認め,血行動態コントロール不良の妊婦は,有害な転帰となるリスクが高く,慎重にカウンセリングを行い,早期の中絶を助言することが望ましい.十分なカウンセリングのもと,

妊娠中使用禁忌の薬剤を中止後もコントロールが良好な患者と家族が妊娠継続を希望する場合は,PH専門施設での周産期管理が推奨される.PH専門医,産婦人科医,麻酔科医,小児科医,助産師や看護師,臨床心理士など,多職種が連携した高度専門医療体制のもとに周産期管理を行う.

妊娠中のPAH薬は,エンドセリン受容体拮抗薬,リオシグアトは催奇形性を考慮し,薬剤中止が推奨される.エビデンスは限られるが,Ca拮抗薬やPDE5阻害薬,プロスタサイクリン製剤は妊娠中でも使用を考慮できる.

2 PHセンターと診療の質評価の 指標(QI)(推奨表48)

肺高血圧の中でも特に希少疾患であるPAHとCTEPHでは,疾患に習熟した専門的な管理が必要である.特に診断,初期治療は予後,QOLを方向づける重要なステップであり,肺高血圧診療に習熟した施設での実施が望まれる.わが国の医療環境は主要施設が分散しており,アルゴリズムが複雑化しているPAHでは診療施設の質の評価が重要である.特に診療施設におけるPAH診療のQIはわが国の診療実態もふまえて作成されたものを用いて実施する(表48) 1351).

推奨表47 PH のリハビリテーションと患者指導(生活・避妊など)に関する推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

適切な避妊法についての指導・提供を行う. I Cインフルエンザ,肺炎球菌感染症および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防接種を行う. I C

社会的,心理的なサポートを行う. I C低地(海抜0 m 付近)における動脈血酸素分圧60 mmHg 未満のPH 患者に対し,飛行機搭乗中に酸素投与を行うことを考慮する. IIa B治療により安定状態にある中等症以下のPAH,CTEPH 患者に対し,運動耐容能・QOL 改善を目的とした経験豊富な施設での監視下運動療法を行う. I B症状を伴う過剰な身体活動を行うべきではない. III Harm C推奨表48 PH センターとQI に関する推奨と

エビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

PH の診断および初回治療介入に関しては,PH の診療経験の豊富な施設で実施する. I A PAH 診療施設における診療の質の評価(QI による)は,わが国の診療実態もふまえて作成されたものを用いて実施する. I C