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p.146 抽出テキスト

羊水過少症,在胎不当過小(SGA)が危険因子であり,総入院期間,総酸素投与期間,認知スコア,総死亡率に影響することが示された1313).そのため心エコー図検査による早期のPHの評価が推奨されている(推奨表46).治療法についてのエビデンスは少ない.

第12章 PHのリハビリテーションと

PHセンター

1 リハビリテーションと患者指導

1.1 運動療法

2022年に発表された欧州10ヵ国,11施設,116人(PAH 98人,CTEPH 18人)における多施設RCTでは,15週間の運動療法実施群において,6分間歩行距離,QOL, WHO機能分類,最大酸素摂取量などが,非実施群に比べ有意に改善したことが示された1314).PAHやCTEPHにおける運動耐容能の低下には,中枢因子だけでなく末梢因子が関与すると考えられる1315-1317).PAHでは骨格筋内の慢性的な低灌流や長期の身体活動低下により,骨格筋の形態学

的変化や機能障害,微小循環障害が生じており1318, 1319),運動療法による運動耐容能増加の機序として,骨格筋の毛細血管密度や酸化酵素活性増加などによる代謝能力の改善が考えられている1320).BPAにより肺循環動態が改善されたCTEPHにおいては,12週間の運動療法実施群では最高酸素摂取量などが対照群に比べ有意に増加したことが示されている1321).

運動療法の有害事象としては,失神,上室頻拍などが報告されている1315).動物実験では,重症化したPHモデルラットにおいて,運動により右室の炎症細胞浸潤や肺動脈のリモデリングが生じ,生存率が低下したとの報告があり1322),肺循環動態や生命予後への長期的影響については,重症度別での検討が待たれる.

前述のRCTにおいては,薬物治療により循環動態が安

推奨表46 BPD,nCLD の診断,治療に関する推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

BPD の診断時には心エコー図検査を行う. I C BPD で酸素吸入療法を行っている児では,修正34~36 週と退院時に心エコー図検査でPH の評価を行う. I C BPD-PH が明らかもしくは疑いのある児は,上下肢のSpO2 測定,心エコー図検査,血液検査を含む綿密な経過観察を行う. I C重症BPD の児ではPH の有無にかかわらず適切な水分管理が重要であり,心臓の前負荷が適切であることを前提に,利尿薬の使用を考慮する. IIa B早産児でBPD-PH のリスクがある場合,日齢7 までに心エコー図検査でPH のスクリーニングを考慮してもよい. IIb B前向き研究はないが,BPD-PH に低用量のシルデナフィル投与を考慮してもよい. IIb C