p.141 抽出テキスト
推奨表44 CHD に伴うPH の診断・管理・治療に関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル すべてのCHD-PH 患者に対し,専門医療を行う. I C CHD が疑われる小児,若年成人に対し, TTE でPH や心機能障害をスクリーニングする(ただし,TTE ではPVR 上昇の有無は判定できない). I C CHD-PH/PHVD の肺血管病変が合併するCHD によるものかどうかを判断するために,系統的な鑑別診断を行う. I C CHD-PH で左右シャントが存在する欠損孔の閉鎖は,閉鎖の可否ではなく,短期および長期の利益にもとづいて行う. I C単純なpost-tricuspid の有意な左右シャント疾患(VSD,PDA)に対する修復手術またはカテーテル治療による閉鎖は,生後6ヵ月以内に行う. I C単純なpre-tricuspid でQp/Qs >1.5 の左右シャント疾患のカテーテル的または外科的閉鎖は,通常は就学前(体重15~ 20 kg 以上)に行うことを考慮する. IIa Cシャントの大きさに見合わないPH が認められる患者では,肺血管障害(PVR 上昇)があると考え,介入前に右心および左心カテーテル検査で精査する. I C有意な左右シャント,うっ血性心不全,体重増加不良,下肢SpO2 を認めるCHD-PH では,乳児期のシャント閉鎖を考慮する(周術期のPH クリーゼに注意が必要である). IIa C一般的な手術時期(生後6ヵ月以上)を超えている,または上記の基準(うっ血性心不全,体重増加不良,下肢のSpO2 >95%)を満たしていないCHD の小児は,特にチアノーゼを認める場合,介入前に右心および左心カテーテル検査で精査する. I C有意な左右シャントの有無にかかわらず, PVR や心室コンプライアンスの異常が疑われるCHD の小児は,右心および左心カテーテル検査で精査する(PVR の上昇を伴うPH のリスクの高い併存疾患には,トリソミー21 などの遺伝性症候群がある). I C PVRI <6 Wood 単位・m2 かつPVRI/SVRI <0.3 の小児CHD-PH では,他に危険因子がない場合,外科的または経皮的カテーテル治療によりシャントを閉鎖する. I C PVRI ≧6 Wood 単位・m2 かつPVRI/SVRI ≧0.3 の小児CHD-PH は,AVT によって評価する. I C PVRI 6~8 Wood 単位・m2 のCHD-PHは,専門医療機関において個別に評価する. I C PVRI 6~8 Wood 単位・m2 のシャント(ASD,VSD,PDA)の患者や,PVRI 8 Wood 単位・m2 以上のPAH の小児患者において,PVRI を8 Wood 単位・m2 以下にすることを目標に,treat-and-repairアプローチ(1~2 種類の薬物による標的治療を行い,その後,欠損を部分的または完全に閉鎖することと定義される)を考慮してもよい.なお,シャント閉鎖(完全閉鎖または部分閉鎖)後の患者は,長期にわたって専門医療機関で経過観察され,非侵襲的測定に加えて心臓カテーテル検査によりシャント閉鎖後のPVR を再評価される必要がある. IIb C PVRI 6~8 Wood 単位・m2 のCHD-PHでは,先行治療の有無にかかわらず, treat-and-repair アプローチとして部分的な欠損閉鎖を考慮してもよい(なお, PVR の数値の臨床的意義は,患者の年齢によって異なる.例:VSD の乳児とASD の若年成人). IIb C有意なpost-tricuspid のシャントのCHD-PH 患者で,特に複雑な構造異常(例:straddling AV-valve)がある乳児患者の場合や,重篤な合併症(例:遺伝性症候群)がある場合には,部分的な欠損閉鎖または,PA バンディングを考慮してもよい. IIb C心内シャントを有するPVRI 6~8 Wood単位・m2 の高リスク患者で,小さなPDA がある場合,将来的にRV を減圧するカテーテル治療(PDA バルーン拡張術/ ステント留置術)を行うために,心内シャントの完全閉鎖時にPDA を残すことを考慮してもよい. IIb C PVRI >8 Wood 単位・m2 の小児CHD- PH の心内シャントは,一般的に閉鎖すべきではない. III Harm C CHD-PH/PHVD と肺うっ血の両方を有する小児では,左心疾患によるPH が疑われるため,右心および左心カテーテル検査により精査する. I C単心室循環の小児,若年成人で,グレン/ フォンタン手術の適応となる血行動態として,平均TPG ≦6 mmHg(かつ体心室の拡張末期圧が適度に低いまたは許容できる)を閾値として考慮する. IIa C臨床的に無症状の単心室循環でTCPC 術後(フォンタン循環)の小児,若年成人で, PVRI ≦ 3 Wood 単位・m2 かつ平均TPG ≦6 mmHg は,許容可能な血行動態として考慮する. IIa C