p.124 抽出テキスト
再施行が困難と判断される患者が含まれる.わが国からは高齢や1083, 1084),フレイル1085)のCTEPH患者においてもBPAの有効性,安全性が報告されている. 本ガイドラインにおいては,上記12を同等にBPAの対象として推奨する.また,外科的に到達可能な病変を有するものの,全身状態などのため耐術能に乏しい患者に対するBPAの有効性,安全性は,外科的に到達困難な病変が主体の患者に対するBPAと遜色ないことがわが国より報告されている1086).器質化血栓が外科的に到達可能か否かのみならず,年齢や全身状態などを統合的に考慮し, BPAの適応やPEAの適応を判断するべきである. 致命的となりうるBPAの合併症に対応するため,BPAの適応と実施法に関する2014年のステートメント5)では術者および施設基準を詳細に規定していた.しかし,BPA合併症を十分に理解し,その対策に習熟した術者が実施するBPAの安全性が確立されてきた現在では,その要件はあまり重要ではない.BPA実施施設は,1日本循環器学会認定のBPA実施医もしくは指導医が在籍する施設,かつ2PEA実施施設と連携を保っているCTEPH多職種チームを擁する施設,が妥当と考えられる. 3.2 画像診断 CTEPHの診断では画像診断が重要である(図27).ゴールドスタンダードは換気血流シンチグラムであり,感度 96%,特異度90%と正確に診断が可能である608).また, BPAの適応を判断する,あるいはBPAの治療戦略を構築するためには造影CT検査が重要である.造影CTにおける評価で器質化血栓の部位が中枢型の場合はPEAに,末梢型(区域枝,亜区域枝のみに器質化血栓が存在)の場合はBPAに向いている病変と考えられるが,中枢から末梢まで病変が連続している症例も存在する. CT検査で気管支の走行を確認することで,各肺動脈の区域枝,亜区域枝の番号を決定することができる.近年はCTの発達に伴い,肺動脈内の血栓部位だけでなく,BPAの標的となる血栓による肺動脈狭窄,血管壁の肥厚,血管内のwebやslitといった器質化血栓,さらに気管支動脈からの側副血行路,血流欠損の領域なども診断することができる1087)(図27).特に器質化血栓を確認するためにはCTの撮像方法が重要であるが,足立らは5 mmまたは1 mmスライスのCTに比較して,1 mmスライスの高周波数成分を強調する関数で再構成したCT画像により,器質化血栓が鮮明に認められることを報告している121).福田らはCT画像からCTEPHの病変を提唱した(タイプ1a:webのみ,タイプ1b:亜区域枝の狭窄を伴うwebs,タイプ2:webとslitを伴うもの,タイプ3:slitのみ,タイプ4:完全閉塞病変).また,CT画像で認められた病変の90%以上が,後述する肺動脈造影で認められた肺動脈病変と一致したと報告 A B C 図27 CT の各種手法で行ったCTEPH 画像A:CTEPH患者の肺動脈の3DCT.各肺動脈にて分岐直後から急峻な先細りを認める. B:造影CTにおける器質化血栓(矢印;黄色:タイプ1,赤色:タイプ2,青色:タイプ3). C:デュアルエナジーCT.Bの病変と対応する部分での灌流低下を認める.