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p.122 抽出テキスト

態(PVRの65%低下)と運動耐容能を正常化する可能性がある1067, 1068).しかし最近10年の間にBPAおよび内科的治療が進歩し,CTEPHの治療は大きく変化した.今ではこれらの複数の治療法を検討することが必要であり,治療アルゴリズムは,PEA,BPA,肺血管拡張薬を組み合わせ,中枢,末梢,細動脈と,異なる肺血管病変をターゲットとした集学的アプローチで成り立っている.最新のCTEPH治療アルゴリズム(図26)に関して記載する.

CTEPH患者に対しては生涯にわたる抗凝固療法を行う.歴史的にビタミンK拮抗薬が使用されてきたが,近年はその代替としてDOACの使用を支持するエビデンスが報告されている1069-1073).ビタミンK拮抗薬群とビタミンK拮抗薬からエドキサバンへの切り替え群のRCTでは,1年後のPVRの変化に関し,エドキサバンのビタミンK拮抗薬に対する非劣性が示されている1069).抗凝固療法は血栓症の再発予防として,PEAやBPAなどのいかなる治療でPHが改善した後も継続して必須である.このほか,CTEPH患者の一般的な管理として,低酸素血症を認める場合には酸素療法を考慮する.また,右心不全を合併する場合には利尿薬や強心薬の投与を考慮してもよい.

CTEPH患者はCTEPH/BPA専門施設において多職種チームで治療方針が検討され,継続的なフォローアップを受けることが推奨される.CTEPH多職種チームには経験豊富なPEA医,PH専門医,BPA医,CTEPH診断のトレーニングを受けた放射線科医を含むことが理想であるが,自施設ですべての職種をみたす施設は限定的である.このため,特に手術適応の検討に関してはインターネットを用い

たコンサルテーションや書面でのコンサルテーションを検討する.

治療方針の決定には器質化血栓への機械的介入が第一に検討されるべきであるため,まず外科的に到達可能か否か検討する.器質化血栓の部位が中枢型の場合はPEA,末梢型(区域枝,亜区域枝のみに器質化血栓が存在)の場合はBPAに向いていると考えられるが,PEAに熟練した外科医を含めたMDTによる手術適応評価が推奨される.

手術適応は病変部位に加え,年齢や全身状態を総合して決定する1074, 1075).手術適応がある患者にはPEAが推奨されるが,リスクベネフィットを鑑みてBPAの施行を考慮する.また病変の局在が左右の肺動脈で異なるような病態を示す混合病変では,BPA単独もしくはBPAとPEAのハイブリッド治療を考慮する.なお,PEAのリスクを下げるためにPEA前にBPA施行や肺血管拡張薬の投与を考慮してもよい.PEAの適応とならない患者には,肺血管拡張薬(リオシグアト,セレキシパグ)とBPAが推奨される1076-1079).なおBPAの合併症を減少させる可能性があるため,PVRが4 Wood単位以上の患者には,BPA前の肺血管拡張薬開始を考慮する1080).

PEA後にmPAP≧38 mmHgかつPVR≧5 Wood単位であると長期生存率の悪化と関連するとの報告があるため, PEA後にPHや症状の残存,再発を認める患者には,BPAと肺血管拡張薬(リオシグアト,セレキシパグ)の併用が推奨される1074, 1077, 1078).このほか,集学的アプローチでも

内服(リオシグアト,セレキシパグ)

生涯にわたる抗凝固療法の継続(ワルファリン[推奨クラスI] または DOAC[推奨クラスIIa])

CTEPH/BPA専門施設でのMDTによる治療方針の検討 (推奨クラス I)

CTEPH/BPA専門施設でのMDTによる継続的なフォロー(推奨クラスI)

CTEPHの確定診断

有症状/残存PH *1

*2

*3

*4 PEA BPA

PEA適応BPA適応

図26 CTEPH 治療アルゴリズム*1手術適応は病変部位に加えて年齢や全身状態などを総合して決定, *2症例によりPEA前の薬物治療を検討, *3症例によりPEAとBPAの併用も検討, *4全身状態などから侵襲的治療が困難なケースも存在する