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態であり,適切な人工呼吸管理による換気サポートが治療方針となる.成人では,非侵襲的陽圧換気(NPPV)療法が第一選択となる.初期病態では夜間の管理が中心となるが,病態が進行し,日中においても高二酸化炭素血症および低酸素血症がみられる場合,日中の管理も必要となる1025). 基本的に難治性希少疾患であり,根治療法は存在しない.持続気道陽圧(CPAP)療法で病態が改善される(PaCO2が50 mmHg未満になる)場合は,睡眠呼吸障害の主体が睡眠時無呼吸であり,肺胞低換気症候群(指定難病230)と診断されない1026).重症例では,気管切開により人工呼吸管理が必要になる場合がある.海外では横隔神経ペーシングも行われるが,わが国では保険適用外で,その施行はまれである1027).しかし,PHの改善に有効であったとの症例報告もある1028, 1029). AHSに伴うPHに対して,PAHで承認されている治療薬の有効性は確認されていない. 5 肺疾患を伴わない低酸素症:睡眠 時無呼吸症候群および高地 5.1 睡眠時無呼吸症候群のPH 一般的に閉塞性睡眠時無呼吸症候群におけるPHは軽度である.しかしCOPDを合併したオーバーラップ症候群または肥満低換気症候群を合併した患者では,PHの合併率は高い1030).米国における肥満低換気症候群患者は人口の 約0.4%と推定されており,そのほとんどが閉塞性睡眠時無呼吸症候群を合併していることを考えると,これらの患者群におけるPHの評価はその予後に大きく影響する1031, 1032).また,CPAPによる加療により,ガス交換と眠気の改善に加え,肺血行動態,右心室機能,運動能力の改善が実証されている1030, 1032, 1033). 5.2 高地住人におけるPH 世界には海抜2,500 mを超える高地に定住する人が1億4,000万人存在する1034).高地住人では,長期低酸素に曝露されると肺胞気酸素分圧(PAO2)が低下し,低酸素性肺血管攣縮が生じる.その結果PVRが上昇し,それによるずり応力上昇が肺動脈リモデリングを誘導する.低酸素性肺血管攣縮と肺動脈リモデリングが高地住人にPHを引き起こす1035). 高地住人におけるPHは,国際山岳医学協会1036)によってmPAP≧30 mmHgと定義されている.その有病率についての報告は限られるが,5~23%とされる.高地住人にとって低酸素誘発性のPHは重要な健康問題である1034, 1036).この高地住人PHが他PHと異なる点は,海抜高度の吸入気酸素分圧(PIO2)に再曝露するとPHが回復する点である.またシルデナフィルとROCK(RhoA/Rhoキナーゼ)阻害薬ファスジルを用いた急性期の治療研究では,肺動脈圧が低下し,運動耐容能が増加した1037-1039).シルデナフィルとカプトプリルの3ヵ月投与による研究では,肺動脈圧の低下が報告されている1040, 1041).